いまだに制振ダンパーがいるかで悩む人がいる。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
地震に強い家にしたい。
多くの人が、家を建てようと考えた時に思うことですよね。おそらく、ここが住宅の性能に気づく第一歩のような気がします。
なかなか、断熱、気密、換気、通気といった住宅の性能にまで思いがいくことは少ないと思います。
柱が太いから。
○○の良い木を使っているから。
鉄骨だから。
○○工法だから。
なんて、残念ながら情けない家づくりをしている住宅会社は声高に、上記のような意味を為さないキャッチフレーズを使って、契約を迫ります。
施主もそうなのか!とナントなく思わされて、契約してしまう。なんて事がホントによく行われています。
で、よく悩まれるのが制振材、いわゆる制振ダンパーをつけた方が良いか、というものですね。
最近は建売メーカーでも、他社との差別化を図るために制振ダンパーを採用してアピールすることが出てきました。
一言でハッキリいうと、まず大事にするべきはソコじゃない、です。
素人の施主でも、地震に強い家かどうかをカンタンに見分ける方法があります。
それが「耐震等級」です。
現在の日本の建物は、最低でも阪神大震災クラスの地震に耐えられるように建てられています。
これが耐震等級1の家です。
この耐震性の1.25倍の強さを持っているのが耐震等級2。
1.5倍以上の耐震性を持っているのが耐震等級3です。
現在の制度では耐震等級3が最高等級となっています。
まずは、この耐震等級3の認定を必須で取るようにして下さい。それほど難しい事ではありませんので。
で、この時に、
「耐震等級3を取るのには50万かかります。100万かかります。200万かかります。」
なんて言われた時には、その住宅会社は即座にやめて下さい。
それはつまり、今その会社が建てている会社は、構造計算もろくにしていない事を表している訳ですからね。
どれだけ金額が変わっても、せいぜい変更にかかるのは手続きの申請費用を含めて30万程度です。
あと、耐震等級3「相当」の表記にも気をつけてください。これは、その会社が勝手に自称しているだけのものなので意味がありませんので。
まずは、耐震等級3を取ること。
これだけで、阪神大震災にも、東日本大震災にも、震度7が2回きた熊本地震にも耐えられる家になります。
で、さらに設計精度を高めるために、許容応力度計算をしてもらってください。
これは数十万のお金がかかってしまいますが、構造計算の中で最も精度の高い計算になります。
で、ここまでやって初めて、制振ダンパーという話になります。
耐震等級3をとってもいない家が制振ダンパーを使っても意味ないですし、そもそも制振ダンパーはうまく配置しないと効果が出ません。
ダンパーが効果の出る位置にするには、間取り決めから構造の検討が必要ですが、そんな事ができている住宅会社なんて、非常に稀です。
注文住宅でもですし、建売住宅でも然り。
はっきり言って、ただのアピールだけに終わっている家がほとんどなのです。
残念な事なんですがね。
なので、制振ダンパーをつけようとする前に、まず耐震等級3。そして許容応力度計算。
(もし頭の片隅に覚えられるなら、層間変形角の計算もしてもらっても良いです)
ここが出来てから、さらに予算をかけても地震に強くしたい、という方だけ制振ダンパーをつけてください。
制振ダンパーも種類があるので、その辺りも注意してください。
また、制振ダンパーについても記事にしたいと思いますが、その程度のものなのだという認識でいれば大丈夫です。
まずは、耐震等級3です。
地震保険も半額になるパターンも多くなる認定制度なので、ここは必須で取得しておきましょう!
そんな事も知らずに、制振ダンパーをつけましょう!という実務者がいたら・・・・。
即座に拒否して、そんな住宅会社からは撤収してきてください。
詳しい説明が知りたい方は、日本の構造の第一人者である株式会社M`sの佐藤稔先生に尋ねてみて下さい。
(YouTubeでもたくさん動画を配信されているので、要チェックです)