積水ハウスのC値っていくつ?大手ハウスメーカーの気密性能を探ってみた。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
日本の一戸建て住宅を一番多く建て続けてきた会社。それが積水ハウスです。2020年時点でも僅差とはいえ、年間建築棟数1位を保持しています。
ここ数年、高気密・高断熱、太陽光発電、全館床暖房といった高性能をスロガーンにしたハウスメーカーの一条工務店に肉薄されていますが、まだギリギリ抜かれていないのが現状です。
ただ、売上げとしても、利益としても、やはり積水ハウスの方が何倍も上手の企業となっています。賃貸物件などの収益も莫大ですからね。
シャーメゾンってたくさん見ますよね。関連企業の積和不動産なんかもよく見につかれるのではないでしょうか。
さて、高気密・高断熱な家づくりが、健康、快適、省エネ、経済的な家づくりになるというのは、ずっと当ブログでも書き続けてきた内容です。
では、建築棟数No.1の積水ハウスの気密性や断熱性ってどうなんだろうって気になりませんか?
正直、一条工務店を除いた大手ハウスメーカーって性能的にそれほど差がないというか、特徴がないので、あまり興味が湧かないのですが、けっこう興味を持たれている方も多いと思うので調べてみました.
といっても、一条工務店や私が建てて頂いた泉北ホームのように気密測定はしていませんし、企業としてデータもないようです。
しかし、過去の施主ブログを探してみると、やはり気密や断熱にこだわった方はいらっしゃるようで、とても参考になります。
結論から言うと、積水ハウスでそのまま建てると、おおよそC値は2.0前後になるようです。
ただし、これは木造のシャーウッドの場合です。
鉄骨のISシリーズやBEシリーズだと、さらに気密が取りにくいためC値2.0以下を取るのは難しいのではないでしょうか。
気密にメチャクチャこだわる施主さんが、積水ハウスの研究所(京都にある積水ハウス総合住宅研究所)の技術主任を呼んだしながら取り組んだところ、C値1.4をとったことがあるのと、工務で慣れている方が施工した現場で、C値1.5を記録したこともあるようです。
これ以上の数値は見つからなかったので積水ハウスの気密性能の上限はC値1.5程度だと思います。
C値1.4の結果を見た施主さんは、ショックのあまり、「俺は人生最大の買い物を失敗したんだ。」と呟いておられました・・・・。
もともと高気密・高断熱を得意とするFPの家と比較検討していたことから、ショックを隠せなかったようですね。
C値1.5前後は、定義はないですが「中気密」というイメージになるかと思います。
高気密にも定義がありませんが、一般的にはC値1.0以下を指すことが多いです。
数字遊びをしても仕方がないので、もっと定量的に考えて24時間換気の実効性を考えると、C値は0.7〜0.8以下が高気密と呼ぶのが正確かもしれません。
C値1.0で計画換気の50%、0.7で70%ほどの実効性だからです。意外にC値は1.0あっても計画している換気量の半分ほどしか見込めないんですね。
なので、これらを元にするとC値1.5クラスでは、まだまだ家の性能としては物足りない状態ではあります。
とくに気密を意識しないで施工をした2×4工法で、だいたいC値1.5ぐらいになることが多いそうなので、軸組工法としてはかなり頑張った事例だと思います。
とはいえ、積水ハウスの大多数の住宅がC値2.0以上だと考えると、健康、快適、省エネ、経済的な観点から言うと、かなり厳しい評価にはなりそうです。
大手ハウスメーカーは施工の安定性を重視しているのでイレギュラーな施工を認めないことが多いですが、気密防湿シートを施工したり、第三者による気密施工監理をしたりするのはダメなのでしょうかね。
そうすれば、C値1.0を下回ることも出来そうな気もするんですが、どうなのでしょうか。
さて、今回は業界最大手である積水ハウスの家を例に出しましたが、他社ではどうなのでしょう。
大手ハウスメーカー8社の中では、セキスイハイムがどちらかといえば高気密・高断熱をウリにしているようですが、施主ブログを探したところ、こちらも似たような数値でC値2.0ほどでした。
木造の住友林業や、枠組工法である三井ホームでは、かなり特殊な例としてC値0.5前後を取ったケースがありました。
木造、とくに枠組工法(いわゆるツーバイフォー工法)だと、元々の構造だけで気密が取りやすいことから、比較的に高気密を目指しやすいようです。一条工務店や泉北ホームも同じですね。
しかし、大手ハウスメーカー全体で考えると、とくに鉄骨造では気密はとることは難しいという結論となりました。
想像通りではありましたが、やはり一条工務店やスウェーデンハウスを除けば、高気密住宅にすることは難しいようです。
私自身はどのような家を建てるのも各家庭次第というスタンスではありますが、それは基本的な性能を確保した上で、というものです。
2021年現在でいえば、気密性能はC値1.0以下、断熱性能はheat20のG1グレード。この辺りをできれば超えて欲しいという願いがあります。
とくに大手ハウスメーカーで建てられる方は資金力のある施主さんがほとんど。予算面で実現できない訳でないので、G1できればG2を確保してほしいなと思います。
寒冷地でのG2グレードは難易度が上がるところではあるのですが。
断熱性能はひとまずおくとして、気密性能は非常に大事です。
24時間換気、カビ、ダニ、壁内結露、シロアリ、耐震性、VOC、窓の結露、室内干し、CO2濃度、温度、湿度、冷暖房費、防音・・・・・。
ちょっと考えただけでも、これだけのことに多大な影響を与えます。
大手ハウスメーカーを選ぶな、と言っているわけではなく、これから家づくりをされる方には、基本的な家の性能を確保することを念頭に置いて家づくりに臨んで欲しいなと思っています。
そして、大手ハウスメーカー側もこれからの住宅業界で生き残っていくには、これらの性能を向上させる必要があると思います。
年間建築棟数が1位になるのも秒読みになっている一条工務店をはじめ、桧家住宅、ヤマト住建、泉北ホームといった断熱に力を入れているハウスメーカーは年々売り上げを伸ばしています。
ハウスメーカーに限らず工務店でも同じですね。
施主側が家の性能や価格についての知識を蓄えられる時代になってきましたから、いつまでも殿様商売していると時代に取り残されてしまいます。
時代の流れに淘汰されるも良し、時代の流れに合わせて性能を高めていくも良しです。それを選ぶのは住宅会社自身でしょうし。
ただ、住宅会社で働いている方は将来のことを考えて勤め先を考えておいた方が良いかもしれませんね。この会社は将来有望かどうか、食いっぱぐれることはないだろうかと。
時代の変化の速さはいままでと全く違ったスピード感になっています。しっかり将来を見据えて家族が露頭に迷わないようにしたいですね。
変化に対応できない会社には辛い時代かもしれませんが、施主にとっては良い時代だと思います。今後とも健康、快適、省エネ、経済的な家が日本に増えることを祈っています(^^)




