こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。

テレビを付けていると、某住宅会社のCMが映っていたのですが。

「高性能な住宅の条件とは」

という謳い文句からスタートするので、んん？と見ていると、

「光熱費は０円」
「断熱性能は北海道基準を凌ぐ」
「気密性能は業界No.1」

というフレーズが続きます。

どう考えても、怪しげな文言が続くので、ネットで調べて、小さく小さく表示されている説明文を見てみました。

光熱費は0円とありますが・・・・当然、そんなこともなく。

説明文を見ると、太陽光パネルが５.３kwつけて、さらに発電する給湯器エネファームをつけて、作った電気と相殺でやっとの光熱費０。

おいおい。我が家だと、エネファームなし、太陽光パネル３.５kwでお釣りが来るのですが・・・。

気密性能は業界No,1・・・・。

どこからツッコんだら良いか分かりませんが、この会社よりも気密施工ができる会社や設計士さんを数十人存じていますが、どういう基準で業界No.1を自称しているのでしょうか。

さらにツッコみたいのが、小さく書かれた注釈。

「プランによります。」

はい？？

厚みを増やせば性能が上がる断熱性と違うのだから、気密性がプランで変わるわけないでしょ！

実務者が見たら大笑いする文言です。
プランで気密性が変わるかっ！！

で、もう一つ。

断熱性能は北海道基準を凌ぐ。
ってフレーズですが、北海道基準って言ってもZEH基準を超えただけの話です。

断熱性能は気密と違って、基本的にお金をかけて断熱材を厚くするほど性能が上がります。

この会社は我が家と同じぐらいの断熱性能なのですが、同じ延床３０坪ほどで、我が家より５００万ほど高い建築費用になります。

逆に考えれば、我が家に建築費用を５００万もプラスすれば、世界最高峰の性能を持つパッシブハウス級の家を建てても、まだお釣りが来るほどです。

ちなみに、断熱性能を数値に表したUa値は自称Ua 0.23なのだそうです・・・。いや、この会社の断熱構成では、そんなに行かないんですが・・・。

高気密・高断熱住宅を日本で一番作っている大手ハウスメーカー・一条工務店で、モデルUa値が０.２５。実際に建てる家では、Ua０.３ぐらい。

この一条工務店よりも、天井断熱でも、壁断熱でも、床（基礎）断熱でも、付加断熱でも、劣るこの住宅会社がUa値０.２３とは、これいかに（笑）

ついでに言えば、ハニカムシェードすらついていないので、ハニカム分で誤魔化して断熱性能をプラスすることもできません。

大手ハウスメーカー８社のCM内容でも、今までツッコミどころと笑いを頂きましたが、中小のハウスメーカーでも、このようなCMをしている事に、驚きと笑いが込み上げてきました。

まあ、この会社。

半樹脂サッシの窓を使っていて、

「ウチは樹脂サッシの窓なんかに頼りませんから。」キリッ

と社長自ら発言していたらしいのですが、その舌の根も乾かない1、2年後に、ウチはトリプルガラスの、樹脂サッシ窓を標準にしました！

なんていう会社です。

樹脂サッシ窓を採用するのは良い事なんですよ。どんどん採用して欲しい。ただ、結構な暴論を吐いておいて、舌の根も乾かないうちでの採用。

なんというか、会社としての方向性というか、芯みたいな部分が見えてこないので、こういう会社は信頼できないなと、個人的には感じてしまいます。

なんて考えていたら、尊敬する奈良の設計士・神崎先生のブログ。

「あのCMで気密性能が業界No.1と誤認されたらJAROってください。」

さすが神崎先生。
ですよね〜。

本気で温熱設計、施工をされている会社や実務者にとって、誇大広告、誇大妄想を垂れ流している会社って、どう目に映るんでしょうね。

住宅会社の見る目を養う力って大事だなと思います。

今日はちょっと皮肉たっぷりな記事になりましたが、まあ、こんな住宅会社もあるので、良い住宅会社を選んで、良い暮らしを手に入れて欲しいなと願うばかりです。