家を建てる目的と手段。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
いつもブログで勉強させて頂いている理系ブロガーのtorikajiさん。
暮らしの工夫を数値やグラフを用いながら発信されているので、とても参考になるブログです。
暑い寒いとか、快適とかって主観なので、数値はとても大切ですよね。
発信の仕方を含めて勉強させて頂いています。
さて、そんなステキなtorikajiさんのブログ記事を読んでいて、改めて気づかされることがあります。
torikajiさんも仰っていましたが、断熱性能だけが大事という訳ではないという事です。ずいぶん前に、クオホームの本田さんも動画で似たようなことを言われていましたね。
あれ?くろーばー、お前は高断熱信者ではないのか!?という声が聞こえてきそうですが、もちろん気密や断熱は改めて言わずとも大事です。
その大切さについては今まで山ほど記事で書いてきました。
ただし、家を建てる本来の目的は、暮らす家族が豊かで幸せな生活を送るためです。
(と、私は思っています。)
例えばですけど、超高性能な家、例えばパッシブハウスを建てるのが絶対的な正義かと言えば、決してそんなことはないですよね。
超高性能なパッシブハウスを建てたは良いけど、そのあとローン破産を起こしては建てた意味がないですよね。
そこまでいかなくても、高額な住宅ローンのために家計が回らなくなって夫婦ケンカが絶えない、なんて事になれば、何のために家を建てたのかって事になってしまいます。
建物に1000万を課金してパッシブハウスにするより、1000万の予算を土地代にかけて毎日の通勤、通学がラクになるほうが暮らしが豊かになることだってあるでしょう。
(逆に、土地にこだわりがないからパッシブハウス級の家で快適に暮らしたいというのも、もちろんアリです。)
そういう意味も含めて、当時クオホームの本田さんが仰りたかったのもそういうことでしょうし、torikajiさんが仰っているのもこれに近いものがあると思いました。
もちろん、だからと建築費用が安ければ良いというものでもありません。
健康に害がある、のちのちのメンテナンス費用がかかる、光熱費が高くなる・・・などの弊害がありますからね。
HEAT20が地域ごとに断熱基準を策定したのもその辺りが目的ですよね。
その地域ごとでG1グレード辺りは達成しておきましょう。
冷暖房費を考えると、おおよそ30年以内で初期投資分の回収ができますよ。
30年を超えて住むのであればG2グレード辺りが得します。
建築費用と冷暖房費のトータルでの費用よりも快適性が大切だと考える方にはG3やパッシブハウスが良いですよ。
という感じですね。
どこまで断熱に課金するかは家庭次第。
また、最近は断熱性能を示すのにUa値が一般的になりましたが、より快適性に近い数値としてはQ値の方が良いです。
換気の状況もちゃんと数値に入りますからね。
で、こうした数値も大切ですし、実際に生活していく中では実験装置のように理想的な数値で通りにはいきません。
例えば、生活するなら玄関ドアの開け閉めがありますが、こんなのQ値、Ua値では表せませんからね。
また、我が家では改良している点ですが、換気扇やエアコンスリーブといった所もC値には出ませんが快適性には影響してきます。
だからといってUa値やQ値、C値が役に立たない訳ではありません。断熱性を示す大きな指標になることは間違いありません。
大事なの?大事じゃないの?どっちなの?と言われてしまいそうですね。
最も大切なところは、家を建てる目的と手段を間違えないように、というところです。
Ua値やQ値が良い家に住みたいのでなく、快適な家に住みたいわけです。
建築費用が安い家に住みたいのではなく、住んでからお金に困らない家に住みたいわけです。
おそらく、尊敬する設計士・神崎先生や松尾先生がパッシブハウスの建築よりも、世の住宅のボトムアップに向けて行動されているのも、この辺りにあるのかなと個人的に思っています。
目的と手段は取り違えないで、自分たち家族がより豊かに、幸せになれる家づくりをしたいですね。
まあ、こんな記事を書くと、ほれ見てみろ。断熱なんて大事じゃないんだ。施主が望む家づくりこそが大事なんだという方が一部に出そうですね。
まさしく、これこそクオホームの本田さんもちゃんと言われていましたし、私もそうですが、そこは違うよと明確に反論しておきたいと思います。
よほど経済的なことを考えないで良い方を除いて、健康、快適かつ、省エネで経済的な家づくりというのが基本的な指針になるはずですから。
冒頭でtorikajiさんのステキなブログ記事を読ませて頂いて、家づくりの目的と手段について考えさせられたので記事にしてみました。
断熱の数値は大事。
でも、家族にとって快適な家づくりになるのが一番大事、というところですね。
住まい方も含めて、これから家づくりをされる方は、たくさんの情報に触れて、たくさんの価値観に触れて、自分たち家族に一番合う家とライフスタイルを見つけて欲しいなと思います。