1階と2階の音問題。【2×4ツーバイフォーの場合】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
我が家は木造枠組工法、いわゆるツーバイフォー(2×4)工法のお家です。より正確に言えば、ツーバイシックス(2×6)工法です。
2×4材は厚みが89mmで、2×6材は140mm。少し厚みのある壁になるだけで、基本的な家の造りは2×4工法と同じです。
その違いはちょっぴりだけ耐震性が高くなること。そして、壁の断熱性能がまあまあ上がることです。
壁の断熱材の厚みが50mmほど増える訳ですからね。
細かい説明はさておくとして、この木造枠組工法、以下かんたんに2×4と呼びますが、この2×4の家の1階と2階の間での音問題について書いていこうと思います。
2×4工法は日本の一般的な建築方法である在来工法と比較すると、耐震性が高いことで知られています。
近年は在来工法でも2×4工法とほぼ同じ造りになるパネル工法が一般的になってきました。
柱と柱の間に、筋交いという斜めに設置する木材を入れるのですが、これが2×4と同じように、パネル(面材)を柱に打ち付けることで壁にして、壁で家全体を支えるという構造になります。
こうすることで、柱だけで支える構造から壁という面全体で支える構造になるので、耐震性が上がる、という仕組みですね。
これは筋交いが構造強度が2倍とか、3倍なのに対して、パネル(面材)を設置すると5倍ほどになることからも分かります。
どうしても柱だけだと地震などの揺れに対して抵抗力が少ないですし、筋交いを入れても接合部が弱点になるのは素人ながらでも想像できるところです。
もちろん、2×4が完全無欠という訳ではありません。
2×4は造りが基本的に決まっている工法なので、間取りの自由度は在来工法に比べると下がります。
90cm単位の耐力壁が必要になりますからね。
また、まぐさが入るので窓を天井づけで設置するのもできません。これは採光や開放感などの面でかなり制限になります。
こうしたメリット・デメリットを考えながら、住宅会社選びの際は在来工法や2×4工法を選んでみて下さい。
他にも、在来工法は施工数が多いので将来的にリフォームなどをするときに施工になれている大工さんが多いこと。
2×4なら気密性が上がりやすかったり、省令準耐火構造になるので火災保険が安くなったりなど、それぞれのメリットがあります。
今日は主題ではありませんので、この辺りでおいておきます。
で、2×4のデメリットの一つを今日は書くのですが、それがお題の1・2階の間の音が響きやすいというのは本当か、というものです。
結論から言うと、2×4は在来のお家に比べると、2階の音が1階に響きやすいのは間違いない、というものです。
その理由なのですが、現在2×4工法では2階の床下の根太に1階の天井(の石膏ボード)を付けることは少なく、釣り天井にしていることがほとんどだと思います。
我が家を建てて頂いた泉北ホームもそのようにしています。
なので、1階、2階の間は50cmの隙間があり、ここに防音用のグラスウールを敷き詰めています。
そのため、昔ながらの在来工法よりは、むしろ階間の音は漏れにくい構造になっています。しかし、暮らしていて分かりますが、けっこう階間の音は響きやすいです。
これは構造上、当たり前なのですが、2×4は構造用の面材で1階も2階も一つの箱のようになっています。
在来工法であれば、柱と柱の間には何もない構造だったものが、2×4は面材もあるため、1階・2階が一くっついている状態になるわけです。
音とは振動のことです。
空気が揺れると耳に音として伝わりますし、壁が揺れれば、揺れた壁を伝って別階の壁も揺れます。その揺れを通して空気が揺れ、音として伝わっていきます。
なので、在来工法に比べると、2×4の方が音が響きやすいというのは実際に暮らしていても間違いないと思います。
ただ誤解しないので欲しいのは在来工法であっても、パネル工法にしていると基本的に2×4と同じ構造になるので基本的に音の響きやすさは同じになります。
次に、2×4の家が音が響きやすい理由の一つに気密性が良いことがあります。
基本的に気密性が高いのは家にとって良いことばかりです。
家の中を涼しく・暖かく保温する力が強くなりますし、換気の性能も高まります。そこから、結露や壁内結露なども防止する力が強くなります。
なので、気密性能が高いというのはメリットだらけなのですが、唯一のデメリットもあります。
それが、室内の音が響きやすくなる、という点です。
それは2×4の方が気密性が高まりやすいので、家の外からの音が家の中に入りづらいために起こります。
要するに家の外の音はあまり聞こえなくなるので、家の中が静かになります。かわりに家の中で起きた音は外に漏れにくくなるので、家の中で音が響きやすくなるのです。
2×4だから、というよりも気密性が高ければ、ということなので、在来工法でも高気密なお家であれば同じことにはなります。
我が家はC値が0.29という高気密住宅です。
室内で音量計を使ってみると30dbほどしか雑音がないため、かなり静かな環境です。雑音が少ないため、すごく暮らしやすくなります。
逆に、子どもたちがケンカを始めると、その声は外に逃げないぶん家の中で響きわたります。
そんな感じですね。
2×4だからC値0.29になる、というわけではないのですが、方向性としてはこんな感じになります。
はい。
ということで、室内の音問題について取り上げてみました。
我が家に来て頂いた方はご存じの通りで、家の外からの音が入ってこないので、家の中は「静寂」といった感じの空間です。
・・・・子どもがケンカしていなければ、ね(笑)
家の中の音を軽減したいという場合は、壁に下地材を入れたり、防音用のグラスウールを入れたり、防音材・防振材・吸音材を入れたりすると良いです。
先ほど書いたように音とは振動のことなので、重いものがあれば振動(音)は抑えられますので。
また、一つ防音ネタを入れると、低い音を防ぐならグラスウールの密度の少ないものを。高い音を防ぐならグラスウールの密度の高いものを施工すると良いです。
例えば、子どもの高い声を防ぎたいならグラスウール24kとか30kぐらいのものを施工しておくと良いでしょう。
少し下世話な話になりますが、夫婦の夜の声が気になるならグラスウールの密度の高いものを選んで壁に施工しておくと音の響きが軽減されます。
防音室にすると数十万、数百万かかりますが、グラスウールを施工する程度なら、数万程度でできるので、比較的に気軽に防音施工することは可能です。
家の構造や工法、家族のライフスタイルをしっかり考えて、それに見合った設計にしたいですね。