くろーばー家の床の下は・・。 *くろーばー家と同仕様にされる方は必読です。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
くろーばー家の床下断熱は、積水化学工業のボード系断熱材「フェノバボード」を使用しています。
フェノバボードは熱伝導率0.019。
最もよく使われている断熱材、高性能グラスウール16kの0.038に比べると、ちょうど2倍の性能になります。
フェノバボードは、2017年8月現時点で日本最高性能を誇る断熱材になります。
(来年は旭化成から熱伝導率0.018の「ネオマゼウス」が発売されるとのこと)
この最高断熱材フェノバボードを床下に120mm入れています。
通常の2×4規格に合わせると89mmなのですが、断熱強化のため120mmの厚みでと設計打ち合わせ段階で設定しました。
ただしフェノバボードには120mmの規格サイズがありません。
そこで60mmサイズを2つつなげています。
で、フェノバボードは床の大引きに取り付けた金具にひっかけた状態で施工されます。
本来であれば規格サイズの専用の取り付け金具があるのですが、特注サイズのためこの専用金具を使うことはできません。
この120mm断熱材を取り付けてもらうために現場監督のDさんは、土台の木と大引きを連結する金具で代用されました。
この金具です。「JH-S」という名称の金具だそうです。
このJH-Sを活用して120mmフェノバボードを床下に施工してもらいました。
フェノバボード1枚に付き6つのJH-S。
くろーばー家のフェノバボードは57枚。1枚は予備。
2枚1組なので28セット。大引に合わせて小さくカットしている分もあります。
これに6つずつの金具なので、ざっと200個もの金具を取り付けて頂いたことになります。
炎天下の作業、大変だったと思います。大工さんには感謝しかありません。
こうした金具が丁寧に施工して頂いているのはありがたいですね。
文字通り足元の快適性を支える床下断熱。大工さんの苦労の甲斐あって快適に過ごせそうです。
床下の断熱材が金具から外れて無断熱状態になっているお家をよく聞きます。ボード系断熱材は吹付の断熱材と違い、吸着する性質はありません。
しっかり金具で支えて置かないとずれ落ちてしまいます。大引の間隔どおりにカットされておらず、落下することが多いようです。
またサイズ通りになっていないと大引と断熱材の間に隙間があき、断熱欠損になってしまいます。(=隙間が無断熱)
そのため今回のように隙間のないように施工して頂いたこと、断熱材をしっかり支える金具を使用して頂いたことは、長期にわたって断熱が守られることになります。
大工Yさん親子、監督Dさんに感謝です\(^o^)/
追記
「床下断熱に120mmフェノバボードは使えません(>_<)」
おかげさまで当ブログをお読み頂く方が増えているようです。
泉北ホームでも、「くろーばーさんと同じ仕様にして欲しい。」という要望が増えているとのこと。非常にありがたいお話です。感謝しています。
この件で、営業Mから連絡がありました。今日の記事内容であるフェノバボードの規格サイズに関してです。
フェノバボードを生産している積水化学工業では、記事にもあるように120mm厚の規格は作っていません。
調べてみたところ、以下の規格のみの生産でした。
*フェノバボードの販売価格まで公開しちゃいます(^0_0^)
最大の厚みがやはり90mmのようです。なのでフェノバボードには一覧表の通り、120mmという厚みの規格が存在しません。
くろーばー家の120mm厚のフェノバボードは、泉北ホームから積水化学工業に依頼して試作品として作られたそうです。
そんな壮大な話になっているとは知らず、営業Mさんにそんなはずないだろうと疑ってしまうポカをやらかしてしまいました。
Mさん、大変に失礼しましたm(__)m
60mmのフェノバボードを2枚、圧着して制作されたそうです。もともとの製造工程にそのようなラインはない試作品ですから、大量生産が出来ないのでしょう。
最近、くろーばー家と同じ仕様にされた泉北ホームの施主さんが、積水化学工業さんから120mmサイズのフェノバボードは作れない旨、連絡があったそうです。
泉北ホーム側からも120mm厚を作って欲しいと何度か依頼をかけたそうですが製造行程上、出来ないとの回答でした。
この点ブログを読まれている方、とくに床下の断熱材の厚みについてはご注意ください。
「床下断熱に120mmフェノバボードは使えません(>_<)」
で、この一件で興味が湧いたのですが、他の住宅メーカーの床下断熱はどのようになっているのか少し調べてみました。
まず土台いっぱいに89mmなどを施工しているメーカー自体が少なかったです。
これはこれで、断熱を考えるくろーばーとしては、どうかと思うのですが(*^_^*)
では断熱に力を入れている住宅メーカーはどうか。真っ先に思い浮かぶのが一条工務店。
一条工務店の主力商品であるi-smartは、泉北ホームと同じ枠組み工法。
床下がどうなっているかとうと、これまた同じく89mmの厚さ。
基本的に2×4工法のお家は床の土台は89mmです。
つまり一条工務店の床下断熱は、分厚い断熱仕様になっている他の天井や壁に比べると薄い断熱になっているわけです。(あくまで「一条工務店」の天井や壁の仕様に比べてですよ。)
厚みが増せないために、断熱性能を上げるには断熱材そのものの性能を上げるしかありません。
そこでもともと使っていた断熱材EPSから、近年は高価格な硬質ウレタンフォームに変更したわけです。
硬質ウレタンフォームの方が非常に高価なのですが、厚みを変えられないための措置なのだろうと推測されます。この仕様変更もあって、一条工務店の坪単価が年々高くなっています。
一条工務店が全館床暖房を採用しているのも、床下の断熱の弱さを補うのが理由の一つかもしれません。
追記
→2017年8月現在、一条工務店は2×6規格の土台に、140mmの硬質ウレタンフォームを施工しているようです。一条工務店がフィリピン工場で作っている2×6規格の特注サイズの断熱仕様のようです。・・これが他のボード系断熱材にあれば(>_<)
ともあれ、89mmの床下の厚みを超えるのは中々、難しいようです。
これ以上の断熱性能を求めるには、フェノバボード以下の熱伝導率を持つ断熱材がないため、土台を暑くして別の断熱材で厚く施工するしかありません。
土台を厚くしてもフェノバボード89mmに勝るのは、高性能グラスウールで言えば、少なくとも180mm以上の土台にする必要があります。
家自体の高さが上がると、北側斜線や耐震的な問題も出てきます。
また土台が特注サイズになるので、見積もり額の大幅なアップにつながってしまうでしょう。
実際に、くろーばー家でもフェノバボードの厚み変更だけなら20万強ですが、土台の厚み変更に20万ほどかかっています。(89mm→120mm)
土台を180mm以上にするなら数十万、下手をすると100万単位で予算がかかるでしょう。これならば床下の断熱方法を、床下断熱から基礎断熱に方法を変えて施工する方が効率的です。
しかし泉北ホームは床下断熱が標準仕様です。
こうした住宅メーカーに突然、基礎断熱で施工を依頼するのは慣れていないためおススメできません。
特に昨日の記事でとりあげたように基礎断熱はシロアリのリスクが非常に高まります。
基礎断熱には防蟻処理や床下の換気など適切な施工が必須になります。
急な施工を依頼するのは危険を伴うのは明白です。
床の断熱も大事ですがリスクを負った上に、ここで数十万~100万もの予算をかけるのなら、天井(屋根)断熱を厚くしたり、全熱交換の1種換気を入れたり、窓をトリプルガラスにする、ハニカムスクリーン(ダブル+ツイン)にする方が効果が高いでしょうね。
十分かどうかは個々人の判断によるところなので何とも言えません。
ただ、床断熱のフェノバボードの89mm厚は、一般的な床下断熱の住宅ではトップクラスの断熱性能とだけは言えます。
断熱強化は中々、奥が深いです(>_<)
積水化学工業さんが120mm厚(あるいは140mm等もっと厚みのあるものを)のフェノバボードを生産してくれたら万事解決なのですがね(*^_^*)
あまり厚みを増すと固い物ではないので割れてしまう可能性もあるのかもしれません。
「クレパスのような感じ」という表現を以前の記事でもしましたが、そんな感じの素材なのです。
以上、120mm厚フェノバボードについてのお知らせでした。