構造見学会でのお話②
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
昨日は構造見学会で受けたご相談やご質問について取り上げました。
さて今日も同じように書いていきます・・が、ここからはマニアック編の質問です。
今日は気が向いた人だけ読んでください(*^_^*)
・・いや、ほんと普通の人が読んだら頭が痛くなるかも(>_<)
ちなみに今回ご紹介する質問が見学会で出た時、泉北ホームのスタッフKさんは完全にヒイテいたような・・(*^_^*)
Kさん。先輩営業マンの某Mさんに反応に似てきてますよ~(#^.^#)
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⑤床下断熱と基礎断熱のどちらが良いですか。
また基礎断熱を採用した時の防蟻方法について。
これは特性の違いが出るので、どちらが良いとは言えません。
泉北ホームや多くの住宅メーカーでは床下断熱を採用しています。
特に関東以西の暖かい地域では圧倒的に床下断熱が多いです。
床下断熱の方が施工が容易で、建築費用を抑えられるからです。
基礎断熱は断熱性能が床下断熱よりも高くなります。
基礎外断熱の場合は基礎そのものを断熱材で覆うからです。
基礎内断熱でも床下空間を断熱するため、床下空間が「室内」扱いになり、その気積分も断熱性能に寄与します。
基礎断熱の最大のデメリットはシロアリのリスクが高くなることです。
基礎外断熱の場合は基礎の外に断熱材があることから当然、食害のリスクが非常に高まります。
基礎内断熱の場合でも床下が換気されないことから湿度が高く、シロアリが生育しやすい環境になってしまいます。
特に基礎コンクリートは打設後、コンクリートから水分が何年もかけて少しずつ出るため湿気対策が必要です。(特に打設後の半年間)
こうした特性に合わせた施工をすれば、どちらの断熱方法を採用しても良いわけです。
シロアリが生育しにくく、また断熱性能が求められる寒冷地には基礎断熱の方が比較的に向いているとは思います。
また、先進的な工務店が取り扱っている「床下エアコン」を設置するには基礎断熱が必須です。
あと逆べた基礎を採用して基礎コンクリートを蓄熱体として利用する方法もあります。
ハウスメーカーの「ユニバーサルホーム」が、この方法をとっていたように思います。
話が逸れましたが適切な施工がされているなら床下断熱、基礎断熱どちらを採用してもOK。寒冷地では防蟻対策が適切にされるなら基礎断熱がおススメ、といったまとめにしたいと思います。
基礎断熱の防蟻方法ですが、床下断熱に使っている通常の断熱材ではもちろんだめです。
防蟻剤入りの断熱材を使用する必要があります。
商品名パフォームガードが有名です。これらの防蟻剤入りの断熱材が基礎断熱には必須です。
また基礎を貫通する配管のまわりをハイプレン防蟻フォームといった防蟻剤入りのコーキング材でしっかり塞ぐことも大切です。
また基礎内が換気されるようにサーキュレーターを入れたり、換気ダクトを基礎内まで回したりして、基礎内の湿気を逃がす工夫もあれば良いかと思います。
少なくとも半年、余裕を見れば2年ほどしっかり換気すれば、基礎コンクリートからの出る湿気による影響も無視できるレベルになるはずです。
床下も換気経路に取り入れる場合は、床下の空気がダクト内に侵入します。
ダクト内を清潔に保つために、お掃除ロボットのルンバを床下(基礎内)に設置されている方もいらっしゃるようです。
室内環境に与える効果はどの程度かは分かりませんが、そのルンバはすぐにゴミ捨てが必要になるそうです(*^^*)
⑥アメリカカンザイシロアリに対する対処はどのようにしたら良いでしょうか。
最近ニュースで猛毒を持つ「ヒアリ」が取りざたされています。
日本も温暖化、ヒートアイランドの影響で亜熱帯化しているためだと思われます。
アメリカカンザイシロアリも同じようなことだと思いますが、日本での目撃事例も耳にするようになりました。
通常のシロアリは土の中に巣(コロニー)をつくるのですが、
アメリカカンザイシロアリは木材の中に巣をつくります。
そのため発見が遅れて住宅の構造に重大なダメージを与えることがあります。
また通常のシロアリは蟻道と呼ばれる穴を木材に作りますが、アメリカカンザイシロアリは木の中に巣を作るため、できる空洞の大きさが違います。
日本の住宅ではシロアリ対策に床から1mまでを薬剤散布しますが、羽蟻として飛来してくるアメリカカンザイシロアリに床から1mまでの防蟻では効果が少ないのです。
これに対する対策としては、家全体をホウ酸処理するのが一番の対策だと思います。
ただ費用もそこそこかかってくるので、どこまで防蟻対策に予算をかけるかは施主しだいといったところでしょうか。
くろーばー自身も1mまでの防蟻にしています。
予算が・・予算が・・・(>_<)
お家の広さによりますが、基礎から1メートルまでの施工で15万。
家全体で30万ほどの費用になるようです。
家全体までホウ酸施工するしないに関わらず、床下や屋根裏など定期的に点検しておきたいですね。・・中々、億劫な作業になるかもしれませんが(>_<)
⑦デコスドライについて
デコスドライ工法とは簡単にいうと、セルロースファイバーを使った断熱材のことです。
セルロースファイバーは簡単に書くと、古新聞にホウ酸を入れた断熱材です。
吸放湿機能があり、防音効果も高い。価格も高い・・といった特徴となります。
熱伝導率は、0.040
高性能グラスウール16kは、0.038。
泉北ホームも採用しているフォームライトSLは、0.034
つまり価格は高いのに断熱性能が少し低くなります。
断熱以外の性能としては、吸放湿の機能があることですが、
壁の中に湿気を取り込むというのは壁内結露の危険性を高めることです。
また断熱材に湿気が入るということはカビ、菌といったものの繁殖を誘うことであり、
吸湿という機能を断熱材に求める考え方はどうなのでしょうか。
これから先に結果が出てくると思うので事例を待ちたいと思います。
基本的には予算がかかってしまうというデメリットが一番に来てしまうように思います。
またフォームライトなどの現場発泡ウレタンは隙間を埋めてくれるので気密をとりやすいのですが、セルロースファイバーはそうはいきません。
気密の面でも少し分が悪いように思います。
断熱材選びは難しいですが、基本的な選び方は、
高気密高断熱を本気で施工できる住宅メーカーならグラスウールで十分。
というか、こういう本気のメーカーは大体グラスウールを使用している。
(軸組工法でC値0.5以下を当たり前に出せるような工務店など)
まったくダメダメな住宅メーカーが使っている場合も多いので見極めないといけないのですが。
高気密高断熱に特化していない住宅メーカーなら、吹付断熱のアクアフォームやフォームライトSLなどが自然と気密が高まって良いのではないでしょうか。
これら吹付断熱の欠点は少ないです。
家を解体するときに普通なら木材は再利用したり廃棄できます。
吹付断熱の欠点としては一度施工すると木材から剥がれにくいので産業廃棄物となり、自然環境的には若干う~ん、なところもあります。
まあ、ここまで考え出すと何もできなくなっちゃいますが・・。
本気で地球環境を考えたい方には、ウッドファイバーという断熱材をおススメします。
また予算をかけても超高性能にしたい方には、ボード系の断熱材という選択もあるかもしれません。フェノバボード、ネオマフォーム、硬質ウレタンフォームといった断熱材です。
湿度調整を行いたいならば断熱材で調湿を図ろうとするのではなく、エコカラット+や、珪藻土などのクロスを使用される方が無難で効果もあります。
というわけで以上、くろーばーのQ&Aでした。