【泉北ホーム評判】決定版!?大阪の中堅ハウスメーカー・泉北ホームを客観的に評価してみる。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。家づくりについて情報発信をしている、くろーばーです。
今日は大阪の堺市に本社を置くハウスメーカー・泉北ホームについて客観的に評価してみようと思います。
これから家づくりをされる方で住宅会社を選ぶ際に、評判って気になりますよね。私自身も気になりました。
どうしても会社発信の情報って良いことしか言わないですし、施主心情としては疑ってしまいますよね。
私自身の立ち位置としては泉北ホームでマイホームを建てて4年ほど経ったという施主OB
といった立場になります。
なので、ライバル会社の社員とか、逆に取引のある建材屋といった泉北ホームと利害関係はありません。一定の中立的な立場でものが言える立場になります。
また、匿名掲示板のように誰が書いているのかがよく分からないということもなく、またライバル会社が他社を貶めるために書いているということもないので、その辺りは一定の信頼はしてもらえるのではないかと思います。
このブログも1000記事を超えており、2017年あたりは我が家の建築過程について記事にしているので、その辺りも読んでいただけると、私の立ち位置もより信頼して頂けるのではないかと思います。
さて、前置きはこの辺りにして、泉北ホームについて評判、評価(感想?)を書いていきたいと思います。
泉北ホームの本社は大阪府の堺市中区深井にあります。
商圏は大阪府とその周辺県(兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)の一部です。
創業は1976年。社歴としては45年。
大手ハウスメーカーの創業は1960年前後で、高度経済成長期に合わせて規模を急拡大させていますから、それらとは性質が異なりますね。
設計、施工、不動産、保険代理店の業務を行い、年間の着工棟数は400棟以上なので、いわゆるハウスメーカーという立ち位置です。
日本一の棟数をほこるハウスメーカーは積水ハウス。2位が一条工務店。
どちらも1年に1万2000棟もの住宅を建てています。
最近、パナソニックホームズ(旧パナホーム)やトヨタホーム、ミサワホームが共同出資会社を作ったので、これを1社としてカウントするならば、プライムライフテクノロジーズ社が合計・約1万6000棟ほどになります。
泉北ホームはこれら大手ハウスメーカーと比べると小さい会社ですが、地方の住宅会社としては大きいので、一般的には中堅ハウスメーカーと呼ばれる規模ですね。
大阪府のみの着工棟数のランキングでは、
1位・・フジ住宅(主に建売住宅の会社)
2位・・一条工務店
3位・・積水ハウス
・
・
・
と続き、8位に泉北ホームがランクインしています。
10位以内に入っているのは大手ハウスメーカー8社を除くと、建売分譲をメインとしているフジ住宅、ローコスト住宅の大手・タマホーム、そして泉北ホームのみとなっています。
地方のハウスメーカーとしては知名度、着工棟数としても中々の規模となっています。
泉北ホームは10年前、大阪での着工棟数は12位だったので、この10年で成長している会社と言えますね。2021年5月現在、創業からの累計の着工棟数は8000棟数にのぼるそうです。
もともとは都市型の3階建て住宅をメインとして他の住宅会社と差別化を図り成長しています。大阪は土地が狭い上に、人口が日本有数に多い地域のため3階建て需要があったためでしょう。
平家や2階建ての家とは違い、3階建ては耐震性が強く求められます。
現在では木造のマンションが建てる取り組みが始まっているほどですが、今でも3階建を建てるなら慣れている会社の方が安心ですし、そもそも木造の3階建は法律的にもきちんとした構造計算が求められます。
テレビCMも行っており、「フルフルフル装備♪」のキャッチフレーズで円広志さんが大黒様?の衣装でCMしているのを見聞きしている関西の方は数多いと思います。
円広志さんのキャラクターなのか、CMの演出のせいなのか、関西人ならずとも何となく胡散臭いというイメージがあるのは私だけでしょうか(笑)
最近は「ZEHシェルター」といった高断熱や防災を意識したテレビCMをしていることもありますね。こちらは中々、映画のようなかっこ良い演出になっている感じがします。
モデルハウス、ショールームは本社内部のものも含めて14軒あります。本社近くにも2つあるので、それを含めると16軒になると思います。
工法は木造枠組工法、いわゆるツーバーフォー(2×4)工法です。依頼すれば在来工法(木造軸組工法)でも建てられるそうです。
10年ほど前から断熱にも力を入れ始め、仕様によりますが当時としては非常に画期的な樹脂サッシの窓を採用するようになっています。
その流れを組み、断熱性について一般的なハウスメーカーとしては頭一つ抜けています。
仕様によりますが、オール樹脂サッシ窓、トリプルガラス窓、高断熱玄関ドア、全熱1種換気システム、日本最高クラスの断熱性能をほこる窓APW430などが標準で採用できるようになっています。
これらのように年々、断熱や省エネに対する仕様が向上し、2018年には住宅会社の断熱性や省エネ性、普及価格などを評価されるハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーで最高位の大賞に選ばれています。
気になる価格帯は、坪単価50万ほどから70万ほどです。
一番安いスマイルパッケージと呼ばれる仕様では、1555万円で延床面積33坪の家を建てることができると広告されています。
これは土地代、土地に関わる費用(登記、ローン諸費用、地盤改良費)などを除いた金額とはいえ、かなり安い価格帯です。
建売分譲の価格帯での顧客の確保のために設定された仕様かと思われます。
中位グレードがメジャー仕様。
大手ハウスメーカーで標準採用されているぐらいの設備グレードです。おおよそ坪単価60万ぐらい。
上位グレードがプレミアム仕様。
大手ハウスメーカーの上をいく設備や断熱性能を持つ仕様です。坪単価はおよそ65万ほど。
これに、+サーモ(プラスサーモ)仕様と呼ばれる高気密・高断熱な仕様をプラスすることができます。
+サーモ仕様はおおよそ坪単価が5万円弱ほど増える価格イメージ。標準的なサイズの家で、100万から150万ぐらいの予算感です。
+サーモ仕様になると、6地域のHEAT20のG2グレードと呼ばれる高断熱な仕様を達成することができます。(真冬で無暖房にした時に室内温度が15℃を下回らない性能)
家の隙間面積を測る数値であるC値は、1.0以下を保証。(平均実績は0.47。)
断熱性能を表すUa値は、モデル値でUa値が0.38。
+サーモ仕様では、この価格帯にしては非常に高い気密、断熱性能を達成しています。また、プレミアム仕様単独でUa値0.5程度、メジャー仕様単独でUa値0.6程度になります。
どちらもHEAT20のG1グレードは達成することができます。
(真冬、無暖房で室内温度が13℃を下回らない性能)
泉北ホームは全棟で許容応力度計算という最も本格的な構造計算を行っています。一般的な工務店では簡単な計算である壁量計算などを行う程度でしか構造を検討していません。
また、大手ハウスメーカーでは型式認定という方式をとっています。
型式認定を要約すると、
「私の会社では、○○の部品を使って、○○という工法を使っているので、○○の強度があります。そして、全部同じ仕様です。だから、一定の耐震性があるので一軒ごとの構造計算は免除してください。」
という仕組みです。
非常に数多くの住宅を建てる大手ハウスメーカーですから、これらの構造計算を省いたり、手続きをしなくて済むので楽ですし、人件費も省略できますね。
合理的と言えばそうなのですが、デメリットもあります。
一邸ごとのきちんとした構造計算がなされないこと。
その住宅会社の構造規定に合わせないといけないこと。
(ルールに合わない間取りや構造、設備は使えない。)
将来的に別の会社で増改築するにも、独自工法、部材が用いられているため、一般の住宅会社が工事しにくいこと。(業者選別による競争が行われない。施主が業者を選ぶ選択肢が減る。費用が高くなる。)
といったものです。
泉北ホームはもともと大阪市などの狭小地がメインの住宅会社です。
木造の3階建て住宅は構造計算が法律によって決められていることもあり、そのまま2階建てでも構造計算をしてきた経緯があるようです。
耐震性能としてはかなり高く、しかも許容応力度計算というA4用紙数百ページにも及ぶ正確な計算を行いますから安全度は非常に高いです。
また、2×4工法は建て方に厳格なルールがあるため、大工さん個人の技量による施工の精度差が出来にくいこともあり、耐震に関しての心配はかなり少ないです。
在来(軸組)工法と、枠組(2×4)工法は、それぞれメリット、デメリットがありますが、どちらも工法が公開されているオープンな工法のため、将来的に増改築などがあった際でも対応しやすいのが特徴です。
施工できる大工さんも多いですし、また大手ハウスメーカーの型式認定のように会社を制限されなくて済みます。建てた住宅会社が倒産したとしても、別の会社でちゃんと増改築で着るというわけです。
在来工法と2×4工法の違いをざっくり書いておくと、
在来工法・・・より自由な間取りにしやすい。将来的な間取り変更がしやすい。2×4より開口部を大きくしやすい。
2×4工法・・・耐震性、気密性、防音性、防火性に優れる。施工ミスが少ない。
といったメリットです。
ただし、最近では在来工法も柱だけで建てるわけでなく、2×4と同じように耐力壁(パネル)もつける木質パネル工法が一般的になりました。
泉北ホームも2×4工法メインの会社ですが、在来工法で取り入れている火打ち材も取り入れていますし、正直、両者の違いは少なくなってきたとも言えます。
泉北ホームの代名詞とも言える「フル装備」について。
泉北ホームは生活する上で必須となる照明、カーテン、エアコンを標準仕様としています。
照明については定価の額面で配線などを含んで30万円までが標準です。これは標準だけだと少し足りないぐらいの金額設定といった感じ。
ちなみにパナソニックの照明器具で統一すれば、40万円までが標準となります。
我が家がこのパターンだったので例にしてみます。
我が家のサイズが4LDKの延床面積31坪の家です。
このパナソニック縛りで40万円標準にするパターンにしました。
全てをLED照明、多くをダウンライトにしました。
よく使うダウンライトは少し高額な電球交換タイプのものにして、居室は安いシーリングライトにしたところ、ジャスト40万円でした。
配線代も込みの価格です。
なので、イメージとしては最低限つけられる照明は標準仕様で納められる。
照明のグレードを上げたり、複数の照明メーカーを用いたり、部屋数が多かったりするなど、高くなる要素の分だけオプション費用がかかる、という価格イメージです。
オプションになる部分は施主支給も可能なので、配線だけを依頼しておいて後から自分たちで購入するのもアリですね。
カーテンも似たような設定です。
まず、17万円が標準で、そこからメジャー仕様のような和室があるタイプで20万が標準。上位グレードのプレミアム仕様で22万が標準内になります。
カーテン屋さんはジャストカーテンさんか、ルームワンさんのどちらかで指定されます。
基本的に建てる場所が堺市よりも北側の方はジャストカーテン、南側はルームワンとなっているようです。
家が小さく、和室の障子もなく、部屋数(窓の数)も少なく、カーテン会社のオリジナル商品のような安いカーテンといった条件で、標準で収まるかなというところ。
カーテンレール代も含むことができるので、お好きなカーテンを別で付けたいということなら、標準仕様内でできるだけカーテンやレールをつけておいて、のちに施主支給するというのも一つの手ですね。
我が家を例にすると、カーテンの標準が20万円だったのですが、最も安いカーテンであれば、ギリギリ納まるかどうかぐらいの価格でした。照明と同じぐらいですね。
我が家は断熱に対するこだわりが非常に強かったので、断熱性能の高いカーテン「ハニカムシェード」のダブルを採用したため、追加で10万強を出しました(^^)
なので、カーテンも照明と同じような予算イメージで、最低限のものは標準で付けられる。そこから求めるグレード、種類のものにするならオプション費用をかけていく、という価格イメージです。
最後にエアコンです。
エアコンは富士通製6畳用のエアコンが2台標準で付いてきます。配管や設置工事の費用も標準仕様に入っています。
また、オプションで差額を出せば、この6畳用のエアコンのサイズを大きくすることも可能です。
我が家も6畳用1台を2階に、もう一台を14畳用にサイズ変更してメインエアコンとして1階リビングにしました。
取り付け費用も含めれば、市販のエアコン代とほとんど変わらない価格でした。電気量販店が依頼する業者とちがって、住宅会社がエアコン設置工事をする場合、防水や気密まで気を配ってくれることが多いです。
そういうリスク回避も含むと、良心的な価格設定だと建築当時に感じました。
そのほか、大手ハウスメーカーではオプションになることも多いキッチンのカップボードなども標準として付いてきますし、設備面にはかなり強いハウスメーカーだと言えます。
泉北ホームはローコスト〜ミドルコストの住宅会社ですが、こうした標準仕様がしっかりしているため、後々にかかる費用が少なくて済むというのは実際にかかる費用としても助かりますし、どれだけ費用がかかるか不安になりにくいという面でも施主としては助かると思います。
見えにくい部分の費用を下げてくれる要素は他にもあります。
まず、泉北ホームは建築費用の支払いが引き渡し時に行うことです。
一般的に住宅会社への支払いは、
①手付金
②着工事
③上棟時
④完成引き渡し時
の4回に分けられていることが一般的です。
1回で払うのも4回で払うのも総支払額は変わらない、と言いたいところですが、ほとんどの方にとって引き渡し時一括支払いになっているのはメリットがあります。
それは住宅ローンの「つなぎ融資」をしなくて良いというものです。
住宅を一括支払いできる方を除いて、多くの方はマイホームを持つのに住宅ローンを組みます。しかし、住宅ローンは家の完成・引き渡し時に初めて実行されるものです。
そのため、着工時や上棟時に工事費用を支払う必要があります。
一般的な住宅会社への支払いイメージとしては、3100万の建築費用であれば、手付金100万、着工時1000万、上棟時1000万、引き渡し時1000万というような振り分けです。
手付金ぐらいは手持ち金で賄う方が多いと思いますが、残りはそうはいかない事がほとんど。そこで、つなぎ融資を行うという感じです。
つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高く、また手数料もかかります。一般的な借入額なら数十万かかります。
しかし、泉北ホームの場合、引き渡し時の一括支払いのため、一般的につなぎ融資でかかる数十万もの手数料を省くことが出来ます。これは中々、他社ではない施主にはありがたい制度です。
その分の予算を家に注ぎ込むのもありですし、節約するのもありです。家づくりをしていると数千万が動くので金銭感覚がずれますが、数十万ってホント庶民には大金ですからね。
注意点としては土地代はまた別というところです。
土地代は泉北ホームへの支払いではなく、不動産会社や土地の持ち主への支払いになりますからね。
ちなみに、我が家は泉北ホームの持っていた土地だったため(いわゆる建築条件付き土地)、土地代のつなぎ融資すらかかりませんでした。
土地、建物を合わせて、普通なら50万以上かかるつなぎ融資代を浮かせることができました。仲介手数料も掛からなかったですし、ありがたかったですね。
あとは、「長期優良住宅」仕様になっていることです。
耐震やメンテナンスの容易性など、国が認める仕様になっていると認定を受けることができます。正直、性能的にはごく当たり前ですし、わざわざ認定を受ける必要があるかという問題もあります。
こんなのは当たり前だと申請を出さない住宅会社もたくさんありますし、逆にそんな当たり前の性能すら達成できておらず申請「できない」住宅会社もあります。
長期優良住宅の認定を受けていると多少ではありますが税制面で優遇を受ける事ができます。
マイホームを持つと固定資産税がかかります。
新築すると建物にかかる固定資産税が3年間、半額になるのですが、長期優良住宅の認定を受けると、この優遇期間が5年に延長されます。
しっかりした性能を持つ家を建てられているなら、あえて申請費用を使ってするほどでもありませんが、泉北ホームでは長期優良住宅が標準として認定を受けています。
我が家の場合で、建物にかかる固定資産税が年間12万ほど。それが半額になる期間が2年延長されるので、12万ほどの得になるわけですね。
額としては大したことはありませんが、認定を受けない住宅会社と比べて、これぐらい得するということですね。
また、泉北ホームは2×4工法のため防火性能が高く、省令準耐火構造になっています。これは一般にはT構造と呼ばれます。
一般的な在来工法ではH構造ですが、これがT構造の認定を受けると火災保険が安くなります。
だいたい半額ぐらいになるので、かなりの節約になりますね。
保険料の目安としてはH構造の場合、10年で10〜20万。T構造になると半額の5〜10万です。
補償額は将来的に減らしても良いとしても、保険料は家がある限りかかりますから、省令準耐火構造(T構造)になっているというのは大きいですね。
2×4工法の見えざるメリットです。
次は、家づくりに関わる担当者について。
泉北ホームでは打ち合わせが専門の担当に分かれています。
まず、窓口になる営業担当。
家づくりへの相談、打ち合わせ、契約といった事がメインの業務。
契約後も営業図面(設計打ち合わせのたたき台になる間取り図面)の打ち合わせを行います。
泉北ホームへの窓口になるのが営業担当なので、何かあれば一番に相談するのが営業担当さんになります。
土地から探すときは不動産部門の担当者が付いたり、泉北ホームを通して住宅ローンを組むときはローン担当者が付きます。
営業図面の完成まで行くと、次は家づくりの中心となる設計打ち合わせです。設計担当と家の耐震性や設備、仕様など本格的な図面作成に入っていきます。
設計打ち合わせが終わるとIC打ち合わせです。
インテリアコーディネーター(IC担当)と家の内装、外装についての打ち合わせを行います。
壁紙(クロス)の種類。
外壁材や屋根材の種類や柄、色。
キッチン、システムバス、トイレなどの水回り設備。
照明計画。
などなど。
ここまでの打ち合わせが終わると、いよいよ家づくりは現場に移ります。
現場で着工に入る前に、工事期間では近隣の方に騒音や工事車両の往来などで、ご近所の方にご迷惑をおかけすることも多いので挨拶回りにいきます。
この時は営業担当や現場監督さんが一緒に回ってくれます。大体はこの時が現場監督さんと初対面になるはずです。
泉北ホームからも挨拶回りの粗品を用意してくれます。
それらが終われば、いよいよ本格的に家づくりがスタートします。
地盤調査、場合によって地盤改良、基礎、配管、そして木工事。
窓、外壁、屋根材、内装、各種設備の納入。
上棟式は施主の希望で、やる、やらない、簡易的に行う選択ができます。
施主検査を終えてハウスクリーニングが入ります。住宅ローンの引き落としが確認されれば、いよいよ完成・引き渡しです。
引き渡しの時には主に現場監督さんから設備の使い方などについて説明を受けます。こうして家づくりの完了となります。
泉北ホームはローコスト〜ミドルコストの住宅会社です。担当者の方も大手ハウスメーカーの給料体系より高い待遇とは言えません。
事実、営業担当者が一件の契約で得られるインセンティブは25万です。
大手ハウスメーカーの場合、たとえば一条工務店の営業担当者だと、年間の契約件数によりますが80万円ほどのインセンティブがあります。
そのため?大手ハウスメーカーの担当者の対応に比べれば、洗練されていない部分もあるかもしれません。人によると思いますが、そういう傾向があるということです。
また、設計打ち合わせやIC打ち合わせなどは設計事務所や大手ハウスメーカーと比較すると、打ち合わせの効率が重視されるので、担当者からの提案はあまり期待はできません。
打ち合わせにかかる労力を省き人件費をできるだけ落として、建築コストを落としているという感じです。
ローコスト系ハウスメーカーでは1人の担当者が営業、設計、ICを兼ねることもあることも多々あります。
それに比べると、それぞれの分野で分業になっている分、一定の専門性は出てきますが、この辺りはコスパを選ぶか、よりじっくり家づくりをするかの好みが出るところですね。
泉北ホームの設計打ち合わせと、IC打ち合わせは、それぞれ2時間ほどを2〜3回行うのを基本としています。
設計事務所などで家づくりをされた方はご存知だと思いますが、打ち合わせ回数で言えば10回、20回するのが一般的です。決めることがたくさんありますからね。
2時間ほどを2、3回程度だと、流れ作業という感じなので、この辺りはホントにじっくり家づくりをするか、コスパかって言うところだと思います。
泉北ホームの担当者の私が持つイメージは「アットホーム」という感じです。社風としても何となくそんな印象があります。
この辺りは施主側の好みがあると思いますし、相性や、個々人の対応力、人柄が問われるところなので、はっきり言うことは難しいですが傾向としての話として捉えてください。
次に、泉北ホームの家の仕様についてです。
まずは基礎。
泉北ホームの基礎はベタ基礎です。場合によりますが布基礎よりも良くなる場合がほとんどなので及第点です。
基礎の強度や耐久性は、いくつかの要素で決まりますが、大きくは、
○コンクリート呼び強度(N値)
○配筋の仕方
○コンクリートの養生期間
○かぶり厚
○スラブ厚
といったところです。
コンクリートの呼び強度は最低限が18N(ニュートン)とされています。
補正で3N足されるので建売住宅などでは21Nあたりの呼び強度です。冬季は強度が出にくいことから、さらに3N足すことが多いです。
建売住宅ではここを含めて21Nにしていることが多いようですね。
大手ハウスメーカーで24〜27N。
泉北ホームでは年間を通して、27Nになっているとのことです。季節の温度補正をあらかじめプラスして27Nにしているということですね。
日本建築学会の資料によると、コンクリートの耐久年数は、
18Nで30年。
24Nで65年。
30Nで100年。
とされています。
27Nだとおおよそ80年ぐらいの耐久性が見込めることになりますね。
ちなみに36Nで200年もの耐久性があるとのことです。
中低層マンションでも30Nほどなので、一軒家だと27Nもあれば十分なことが分かります。
ハウスメーカーの中で私が見聞きしている最も基礎コンクリート強度が高いのが、一条工務店。「家は、性能。」のスローガンを掲げている大手ハウスメーカーです。
一条工務店の基礎強度は33Nとのことなので、150年近い耐久年数があることになります・・・すごいですね。
将来、家を解体処理で逆に困るケースも出そうなので、流石にここまでのコンクリート強度は必要ないかなと思います。
基礎が再利用できれば良いのですが、家の形が変わると基礎は同じものは使えないためです。そう考えると泉北ホームのコンクリートは、強度、耐久年数、コスパとして考えた時にちょど良いものと言えるかもしれません。
次に、基礎の鉄筋。
「鉄筋コンクリート」と良く言いますが、基礎は骨組みとなる鉄と、鉄を覆うコンクリートでできています。これは鉄とコンクリートがそれぞれの弱点を補える性質を持っているためです。
鉄は年数が経つと酸化していくため、それを覆うコンクリートの厚みがあるほど耐久性が増していきます。これをかぶり厚と呼びます。
基礎立ち上がりの横幅は
建売住宅で120mmが一般的。あまり注目されませんが、これ、コンクリートのかぶり厚としては結構ギリギリです。鉄筋から左右40mm以上のかぶり厚を確保しないといけないのですが、鉄筋の厚みもありますからね。
ちょっとでも配筋がズレると、適切なかぶり厚が確保できないことになります。この辺りが建売住宅がコストを削減している部分の1つになります。
大手ハウスメーカーの多くは、かぶり厚150mmが多いです。
泉北ホームも150mm。必要十分というところですね。
次に、配筋です。
泉北ホームではダブル配筋と呼ばれる基礎の鉄筋を二重にした仕様になっています。これはマンションなどに使われるような配筋で、一般的な住宅で施工していることは少ないです。
ここは安心材料ですね。
また、基礎の下側(地面に接しているところ)をスラブ(底盤)と言いますが、この厚みが250mm。
大手ハウスメーカー含めて、一般的には150mmなので、かなり基礎の強さには力を入れています。
あとは地味な部分ですが、地中梁と呼ばれる配筋を行なっていることも基礎強度にとって、大切な施工をしているところも良いところです。
地中梁まで行なっている住宅会社は意外に少ないので強度上、安心材料の一つになります。
コンクリートの養生期間は2〜3日ほどと、ごく一般的なことが多いと思います。現場の工事進捗次第で、もっと長くとられることもあるかと思います。
床の工法は根太レスの剛床工法。
床下に施工する木材の量多いので、補強なしでピアノが置けるほどの強度があります。
通常の2×4工法の2倍の柱を使っているので、柱面の強度も強くなっています。
(個人的にはその柱分、断熱材が減るので断熱性能が少し損なわれているのでは?と思っているところです。耐震と断熱をどこで秤にかけるのか、っていうところでしょうね。)
2×4工法なので窓の上に「まぐさ」が入るため、基本的に天井まである窓の施工はできません。また、耐力壁が必要になるので、所々に90cmの壁が必要になります。
泉北ホームでは独自開発したゴーテックス303という2×4で一般的な耐力壁の3分の1の幅で済む耐力壁を施工することができます。
1階のみで施工可能とのことですが、このゴーテックスを使うことで開放感をアップさせた間取りにさせることも可能なようです。1箇所で数万円のオプション費用がかかるそうです。
2×4工法のため、2階で床を踏む音が1階に響きやすいという特徴があります。太鼓現象と呼ばれるものです。
これの対策として、階の間に断熱材のグラスウールを敷き込んでいます。グラスウールは吸音する性質があるためです。
また、1階の天井となる木材を吊り天井にすることで、2階の音を下の階に伝わりにくくする工夫もしています。こうした工夫により、2×4など一般的な家に比べて、比較的に下の階に音が漏れにくくなっています。
泉北ホームは2×4工法ということもあり、また気密施工のレベルも比較的に高いことから、防音性能がそこそこ高いです。
そのため、外の音は家の中にはあまり入ってきません。自動車や電車、雨、虫といった音は家の中にいると、それほど気にならないようになります。
一方で、家の中が静かになること、気密性が高く室内の音が外に逃げにくいことから、室内の音は響きやすくなります。
子どもの元気な声や、夫婦げんかの声は外には漏れにくいですが、室内では響きやすくなると言うことですね(笑)
我が家は特に気密性が高く、トリプルガラスの窓を使っていることもあるのですが、外の音はほとんど聞こえません。
自動車の音、夏場のセミの声、雨の音。耳を澄ましてもほぼ聞こえないレベルです。雨や風の音は台風レベルでないと、聞こえないほどです。
次は、建材について。
屋根材は、主にはスレート。10年でボロボロになるコロニアルのクアッドではなく、グラッサが標準になっています。KMEW社の外壁材と合わせて使うと、遮熱グラッサにアップグレードされます。
オプションで、瓦やルーガ、ガルバリウム鋼板なども使えます。
KMEW社とニチハ社と提携しているので、この2社のものなら比較的安く導入できます。
ルーフィングはアスファルトルーフィング940。
大手ハウスメーカーから建売住宅でも使っている一般的なルーフィング(防水シート)ですが、耐久年数が基本10年となっているので、あまりお勧めではありません。
数万円のオプション費用で改質アスファルトルーフィングに変更できるので、こちらをオススメします。
外壁材は窯業系サイディング。
KMEW社ならサイディングでは上位グレードの光セラ。
ニチハならシーリングレスのFUGEや、厚みの陰影がある風光。
サイディングとしてはどれも上位グレードと呼べる建材です。
高耐久のシーリング材が使えるので、最も経年劣化が進みやすいシーリング部分のメンテナンス費用も抑えやすいです。KMEWならKMEWスーパーシール。ニチハならプラチナシールが標準になっています。
バルコニーの防水はFRP。
これも一般的です。
個人的にはバルコニーをつけるなら金属防水にしておくことをお勧めします。
(もっと言うならバルコニーは極力無くす方が良いです。防水、断熱、雨漏り、メンテナンス費、掃除の面で!
シロアリ対策は一般的な薬品系の防蟻材を床下から1mまでの塗布です。
ここは是非、ホウ酸処理をしておくことをおススします。
水回りや床材などの住宅設備について。
キッチン、システムバス、トイレ、洗面台、シューズボックスなど、住宅設備については標準仕様が毎年のように変わるでしょうから、個別に書くことは避けておきます。
トータルで評価すると、メジャー仕様で大手ハウスメーカーと同じぐらい。プレミアム仕様だと大手ハウスメーカーよりも上のグレードの住宅設備を数社から選ぶことができます。
また、住友林業や一条工務店などで標準仕様になっていないカップボード(備え付けの食器棚)も、泉北ホームは標準仕様になっています。
気密の性能は、通常の仕様でC値1.5程度。
+サーモ仕様や、オプションで気密施工を依頼すれば、C値1.0以下を保証してくれます。平均値としてはC値0.5程度を確保してくれています。
最近は気密施工のオプション依頼をしなくても、C値1.0を下回ることが増えてきているようです。
断熱の仕様について
メジャー仕様では、
屋根断熱アクアフォーム80mm
壁断熱アクアフォーム80mm
床下断熱モコフォーム90mm
窓APW330アルミスペーサー
プレミアム仕様では、
屋根断熱アクアフォーム140mm
壁断熱アクアフォーム80mm
床下断熱モコフォーム90mm
窓APW330、サーモスX
+サーモ仕様では、
屋根断熱アクアフォーム180mm
壁断熱アクアフォーム140mm
床下断熱フェノバボード90mm
窓APW430またはサーモスXトリプル
になっています。
トータルに泉北ホームの評価をするなら、
・建築費用はローコスト〜ミドルコストの住宅会社であること。
・建築費用に対してコスパが良い。
*設備グレードの高さ、選べる設備の豊富さ、気密、断熱、耐震、構造計算、様々な認定、照明、カーテン、エアコンが標準、ローンの引き渡し時一括支払い・・・等等。
・アットホームな社風。
(悪く表現するなら大手ハウスメーカーのように洗練されていない。)
・設計やデザインに関する提案は少ない。
・打ち合わせにかけられる時間が少ない。
・本物志向の建材を求める方には向かない。
といった感じの評価になるかと思います。
綿密に長期間の打ち合わせを行い、オリジナリティを出し、一般的でない建材を使ったりするような家づくり。例えるなら、設計事務所に依頼するような感じですね。
そんなタイプの施主さんには向かない可能性が高いと思います。
一方で、流通・普及している建材の中で広く設備仕様を選べて、コストも抑えて建築するようなタイプなら泉北ホームは非常にオススメだと思います。
実用性があり快適、かつ値段は抑える。服に例えるならユニクロ的な感じでしょうか。
もっと良い素材、ブランドなどを求める方には物足りないですが、コスパの良いものを求めるならオススメです。
おそらく泉北ホームも平均的な世帯収入の層を狙った建築価格帯を設定しているのだと思います。
我が家もそうですが平均的な所得の家庭が、無理なくマイホームを持たせてくれるハウスメーカーです。
超高性能な家ではないですし、超オシャレな家でもないですが、コスパが良く、ちょっと快適で、住宅設備を好みで選べる。そんな住宅会社です。
(性能もオシャレも施主の知識・力次第で出来てますが(^O^)
はい。
ということで、4年ほど泉北ホームで建てた家に住んでの評価・感想でした。
(まあ当時、我が家は泉北ホームとしては特殊な仕様で建てさせて頂いた気がしますが(>_<)
客観的にと言いながら主観も入りまくりの紹介でしたが、どうだったでしょうか。
泉北ホームの施主さんで、泉北ホームはこんな会社だよっていうことがあれば、またコメント頂ければ幸いです。
一施主として私からも一言だけ書くなら、泉北ホームの担当者の方にはたくさんお世話になりましたし、誠実に対応して頂いたこと。そして、ステキな家を建てて頂いたこと。
また、建築費用が高くないというだけでなく、後々にかかる費用も少なく、豊かな暮らしを送らせて頂いて、ホントに感謝しています、というところです。
これから家づくりをされる方を応援しています!