我が家の24時間換気について【3種換気、換気経路、換気量】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
今日は24時間換気についてのご質問があったので、そちらにお応えしていきたいと思います。
我が家の24時間換気は日本スティーベル社の3種換気、La-60という機器を使っています。泉北ホームの標準品ではありません(#^^#)
1年ほど前に廃盤になってしまったようで、これからはやはり1種換気に力を入れていくようですね。とても良いことだと思います。
La-60が一般的な3種換気システムと比較して優れているのは、
①負圧が強い。
②湿度によって換気量を自動で調整する。
というものがあります。
通常クラスの台風程度であれば、強風が吹いていてももろともせずに換気を維持します。負圧にする力が強いんですね。自動車でいうとトルクが強いということですね。
とは言え、家の気密性能がC値1.0をきるような高気密住宅であれば、このような機器に頼らなくても一般的な24時間換気システムで十分だと思います。
で、我が家の換気経路を紹介します。
間取り図は契約時なので、現在の間取りと微妙に異なるところがありますが、それほど変わらないので、そのまま使います。
ピンクで囲ったところが給気口。
緑色で囲ったところが排気口になります。
1階
排気口の位置は定番中の定番ですね。
洗面・脱衣室と、トイレ内部の2か所です。
24時間換気の経路の原則は、
①給気口と排気口を対角にもってくること。
②ダーティーゾーンに排気口をもってくること。
です。
給気口と排気口が近いとショートサーキットになってしまい換気になりませんからね。
ダーティーゾーンとは、トイレのように臭いがあるところのことです。もともと西洋の考え方なので浴室=トイレがあるので、浴室もダーティーゾーンになるわけですね。
日本では浴室にトイレはないと思うので、空気が汚れているかと言えば違うのですが、多すぎる湿気を建物は嫌いますから排気したいわけです。
我が家の給気口の初期配置は、リビングに2つでした。
そのうちの一つをキッチンに変更しました。
キッチンでは調理時の換気を行うためにレンジフードを回すことがあります。
この時に給気口がキッチンから遠いと、せっかく室内で冷暖房した空気を外に捨ててしまうことになります。
この熱の損失を減らすのが1種換気システムなのですが、我が家では3種換気。
レンジフードの排気量は24時間換気とは比べられないほど大風量です。
出来る限り3種換気でも熱損失を防ぐために、レンジフードの近くに給気口を持ってきたわけです。
しかも、ここは室内空間の端の方なので、新鮮な空気をまんべんなく経路とするのに向いていることからコチラに変更しました。
次に、2階です。
コチラは現在の家の間取りと変更があって、2階トイレはなく洗面台が置かれていたり、主寝室が8.5畳だったりと少し変わっています。
ともあれ、考え方は1階と変わりません。
給気口と排気口を対角に持っていくという事ですね。
また、1階の吸気→排気の向きと合わせることも大切かと思います。
我が家の場合は南側から北側に空気が流れるようになっていますが、これが1階と2階で異なると、おそらく換気経路が乱れてしまうはずです。
あと、おまけの話になりますが、我が家の浴室には換気扇がありません。もちろん給気口もありません。浴室暖房乾燥機もありません。
給気口もなく、排気口もないのですから、24時間換気の計画外となっているわけですね。
これで本当にお風呂場はきちんと換気され、乾き、カビが生えないのか。
ここが実際に生活を始めるまで自信がなかったため、気密をできるだけ高めるために、窓種を工夫したり、いろいろな気密施工をお願いしたりしました。
また、浴室の換気扇や暖房乾燥機を採用しないことで、C値に現れない実質的な隙間を減らすことで、より24時間換気が効果的に行われるように工夫しました。
これによって、浴室の換気扇もなく、窓を開けることもなく、暖房乾燥機を使うこともなく、3~4時間でお風呂場がカラカラに乾くことができています。
さて、次にご質問いただいた換気量についてです。
我が家で採用したLa-60は、一基につき35㎥の排気量があります。
これは最小での排気量です。
これが3台で、35㎥×3台=105㎥/hの換気量。
我が家は約121㎥/hの換気量が法律的に必要なので、1台を強モード扱いで、
35㎥+35㎥+65㎥=135㎥
となり、法定の換気量を満たす計算となっています。
実生活においては、あくびすら出ない二酸化炭素濃度なので、明らかな過換気だと思われます。
正確に測ったわけではないですが、2台の排気量でも十分かと思います。
ただし、ここは法律的な換気量を満たす必要もありますし、トイレや浴室近くの換気、2階の換気を1階でとなると換気経路が長すぎる、なんてこともあるので、我が家の場合は今のままが最適解になるかと思います。
これが延床面積40坪クラスの家になり、排気口(換気扇)が4台となってくると、3台で済ましても良いかと思います。
これも気密性能や換気システムの性能、換気量によって異なるので、状況に合わせて設計士さんや換気システム会社と相談の上、設計を行ってください。
基本的には施主が計画するのも変な話ではあるので(^_^;)
・・・私は積極的に関与していった口ですが(笑)
換気量は家の延床面積だけでなく、空間の広さに比例するので、天井高が高いと換気量も大きくなることを意識しておいてください。
また、法令上の換気量を満たしたとしても、家族の人数や、人の密集具合、酸素を消費する暖房機器(燃焼系のストーブ)、ガスコンロなど、二酸化炭素濃度が変わる要素はたくさんあります。
全体としては換気できていても、室内のある部分においては換気が追い付かないということもあります。
この辺りは生活スタイルとも関係のあるところなので、将来的な生活をしっかりイメージしておくと良いと思います。
また、換気とは別に給気口の位置によっては寒さを感じやすいこともあります。
3種換気はもちろんですが、1種換気でも給気口付近は少し寒くなりがちです。
ベッドの頭や足元、学習机の前、リビングソファの近くなど、長い時間、滞在する場所には給気口を持ってこない方がおススメです。
どうしてもコールドドラフトが起きて、足元が寒かったり、寒くて乾燥した空気を就寝時に吸い続けることになります。
足元が寒いのはイヤですし、頭も寒すぎると頭が冴えて眠りづらいこともあります。
とくに3種換気のお家は設計時に意識しておきたいですね。
高気密・高断熱の家ではエアコンを1台や2台で冷暖房が可能なため、すべての給気口にできるわけではありませんが、こうしたエアコンの設置の仕方もあります。
エアコンの暖気が給気口に当たるようにする工夫ですね。
これでコールドドラフトを感じることはほとんどありません。
ただし、寒冷地にお住まいの方はこの方法が通用しないこともあるそうです。
給気口から入る空気が冷たすぎて、エアコンの気流で冷たい空気が気流に乗って、人に当たってしまうことがあるそうです。
私が住む大阪のような日本の中では比較的、暖かい地域ではそういうことはないと思いますが、北海道や東北、あるいはその他でも山岳地などでは留意してください。
はい。
ということで、長々と書いてきましたが、今日は我が家の例を参考に24時間換気のお話でした。
換気経路、換気量、他の換気装置との兼ね合い、給気口のコールドドラフト対策・・・。
いろいろ検討することはたくさんありますが、楽しく考えてみて下さい。
本質的な課題としては、新鮮な空気を室内に取り込んで、汚れた空気を外に出す。
それによって、二酸化炭素の濃度を低くし、建材などから発生する化学物質を外に出す。湿気を外に出す。
これが基本です。
それ以外のことは、2次的なことですから、まずは基本を行ってから。余裕があったら我が家でも検討したようなことも考えてみて下さい。
これから家づくりをされる方を応援しています(^^)/