パッシブな設計では悩ましい。春分の日、秋分の日。【住宅設計】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
2021年3月20日。
今日は春分の日ですね。
お日様が出ている時間と、お日様が沈んでいる時間が同じになる日です。
(正確には少しだけ昼が長いらしいのですが)
さて、住宅の設計では冬の日差しは採り入れて、夏の日差しは遮ることが重要です。これはパッシブ設計と呼ばれます。
詳しい方だと、日射取得・日射遮蔽という言葉で有名ですね。
夏は太陽高度が高いので、軒や庇で太陽の日差しが家の中に入らないようにします。
逆に、冬は太陽高度が低いので、軒や庇があっても家の奥まで日差しが入りやすくなるように南面の窓を大きくとっておく。
そういった設計がパッシブ設計ですね。
太陽高度は一番低くなるのが冬至の約30度。夏至が約80度です。
日本では日射が家の中に入り込んでくる角度が約50度も変わるわけです。
この設計を原則として家づくりをされると、夏涼しく冬暖かい家に近づきます。しかも、冷暖房とちがって、太陽の日差しは無料で、しかも一生涯続きます。これを利用しない手はありません。
もちろん例外もたくさんあります。
例えば、周辺の土地状況です。
南面に大きな窓をとっても、南の隣に高い建物が建っていたら冬の日差しは得られません。
また、地域的な天候にも左右されます。
一般的に、太平洋側は冬場の日射を得やすく、日本海側は日射時間が少ないため冬場の日射が得にくいことが多いです。
そのため土地の条件に合わせて、南面に大きく窓をとるのか、逆に窓を減らして(小さくして)冷暖房の効率を上げるのか。この辺りを考えて間取りを決めていくのがパッシブ設計の大きな手法の一つになります。
で、パッシブ設計をする中で、少し悩ましい部分があります。
今日は3月20日の春分の日です。
私が住んでいるのが比較的に暖かい地域である大阪という地域柄もあって、気候がだいぶ春めいてきました。
とは言うものの、まだ暖房をつけておられるご家庭がほとんどです。
日中の日差しはまだ取り込みたい時期です。
では、今からちょうど季節を反対にした9月の下旬、つまり秋分の日はどうでしょうか。
9月の下旬と言えば、大阪ではまだ冷房を使っている家庭が多い時期です。
昨年9月20日~30日の最高気温を見てみると、28℃前後。日によっては30℃を超えた日もあります。
と、すると難しいんですよね。
半年ごとに太陽高度は同じですから、日射取得側に寄せて設計するのか。日射遮蔽側に寄せて設計するのか。
日射熱のコントロールだけ考えれば、日射取得側に寄せて設計し、暑くなる場合は、すだれやアウターシェードなどで遮蔽するのが一番良いです。
ただ、こうした物は購入する費用や、耐久性があまり高くないこと、見栄えの問題や、開け閉めの手間の問題、天候が悪いときに片付けないといけないこと等の課題もあります。
個人的に予算に糸目をつけないで良いなら、電動ブラインドシャッターが最も採用したいですね。
外からの視線をコントロールできてプライバシーにも良いですし、
シャッターなので防犯面も向上します。
風を通す量もコントロールできます。
また、外の風を取り入れている時もシャッターそのものは閉まっているので、通風と防犯の両立が可能なのも良い。
耐久性も高く、室内からスイッチ一つで開閉可能なのも利便性が高い。
台風などの時の窓ガラスの破損の防止にも少し役立ちます。
そして、日射取得・遮蔽のコントロールができる。
ついでに採光量もコントロールできますしね。
ほぼ無敵の装置ですが、唯一にして最大の難点は、価格が高い、高すぎることですね。
通常サイズの掃き出し窓につけるもので、30万ぐらいしますからね(^_^;)
すべての窓に電動ブラインドシャッターなんか付けようものなら、シャッターだけで家が一軒買えちゃうんじゃないでしょうか(゜o゜)
まあ、でも1階の一番眺めが良いリビングの大きな窓に一つぐらい付けるのは予算のメリハリとしては良いかもしれませんね。
ご近所の豪邸では何軒も電動ブラインドシャッターを付けれていて、憧れているところです(#^^#)
突き詰めると、なかなか難しくなりますが、ともあれ、南面の日射取得と遮蔽を考えた設計をして、冷暖房をできるだけ使わずに夏涼しく冬暖かい家を目指したいですね。
これから家づくりをされる方を応援します(^^)/