エアコンスリーブの断熱効果を測定【高気密高断熱】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
さて、今日はエアコンのスリーブ(配管)の話です。
エアコンスリーブとはこんな感じ。
我が家のエアコンスリーブは一般的なスリーブと異なり、まだエアコン本体を設置していない子ども部屋のスリーブには断熱材を入れています。
我が家のエアコンスリーブ
高性能グラスウールという日本で最も普及している断熱材です。
我が家の壁や天井に使っているのはフォームライトSLという吹付断熱材なのですが、これをスリーブに吹き付けてしまうと固化してしまい、後々エアコンの配管を設置するのを阻害してしまいます。
そのためグラスウールで塞いでいます。普段は下の画像のようにキャップで蓋をしています。
なぜ、このような事をしているかと言えば、理由は簡単で断熱のためです。
エアコンスリーブは壁をくりぬいている穴のため、壁にある木材もなければ、断熱材もありません。
そのために、外気がそのまま室内に入ってきます。冬には寒い空気が、夏には熱い空気が、家の中に入ってくる訳ですね。
これをできる限り防ぐために、使っていない子ども部屋のエアコンスリーブに断熱材を入れ込んでいます。
では、どれぐらいこの施工に効果があるのか、冬場に調べてみました。
実は、この記事は昨年末に書いていたのですがアップするのを忘れていて、そのままになっていたものです。
以下、2020年12月31日の記事になります。
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では、測定した結果についてです。
まず、先ほどの断熱材入りのエアコンスリーブと比較するために給気口を調べてみます。
我が家は3種換気システムのため、給気口は壁に空いたタダの穴です。
エアコンスリーブも何もしなければただの穴になります。なので、温度測定をすればちょうど良い比較になるかと思うので、今回は給気口とエアコンスリーブを比べてみることにしました。
では、測定。
床の表面温度から測ってみます。
床表面は20.9℃。
1階のエアコンを21.5℃設定で24時間運転暖房しています。
(注これは2020年12月31日の記事です。)
もう少し床が暖かい方が良いですね。
この日は曇りがちの日だったので日射取得の少ない日でした。少し床が冷たいぐらいの体感ですね。スリッパを履いていて丁度良いぐらい。
次に、天井の表面温度。
床と天井の温度差がほとんど無いっていうのは、さすが高気密高断熱っていう感じですね。
次に、壁の表面温度。
こちらも壁の表面温度も20.8℃。床、天井と変わりませんね。さすが高気密高断熱ってところで・・・(以下略(#^^#)
給気口に近い壁を測定しました。
少しだけ下がって20.5℃。
次は、給気口の真下を測定。ここが一番冷たくなるはずです。
やはり、冷たいですね。17.4℃でした。3℃ほど下がっていますね。給気口の中を測定すれば、さらに下がります。
この時の外気温は10℃ほどでした。
給気口から30cmほど下を測定してみます。
給気口の真下に比べて1.5℃上昇。他の壁と比べると、1.9℃低い温度ですね。
これがいわゆるコールドドラフト、というものですね。
ここにベッドの頭部分がくると、就寝中、顔が寒くて寝づらかったり、冷たくて乾燥した空気を長時間吸ってしまうことから、風邪をひきやすくなったりします。
とくに3種換気の場合は、この辺りの間取りや家具配置をしっかり検討しておきたいものです。
はい。
これで、まず給気口からの空気が冷たいということが分かりますね。
壁の温度が20.8℃。
給気口の真下が17.4℃。
なので、表面温度が3.4℃下がっているということが分かりました。
では、本命のエアコンスリーブです。
給気口の真下が17.4℃のとき、果たして断熱材を詰めたエアコンスリーブがどうなっているかというと。
真下で19.4℃でした。
給気口の17.4℃よりも、ちょうど2℃も高いですね。
しっかり効果は出ているようです。スリーブ内外に気密テープを貼れば、気密もとれて効果が高まるかもしれませんね。
やはり、それなりに効果が出ているようです\(^o^)/
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はい。
ということで、昨年の年末にアップする予定だった記事だったのですが、いかがだったでしょうか。
冬の話なので伝わりにくい部分があるかもしれません。
ともあれ、スリーブに断熱材を仕込んでおくのは有効だということが分かりました。
住宅会社と契約内容でスリーブに断熱材を入れる、なんて超こまかいことを入れるなんて私ぐらいでしょうが、そんなに高い建材を使うわけでもないので、おススメです。
とくに子ども部屋のように長期間使わないエアコンスリーブがある場合、長く「封印」できるので施工する値打ちがあります。
近年、高気密・高断熱に対する理解が進んでいて、エアコンを1台や2台で賄おうと計画される方も増えてきていますが、冷暖房、とくに冷房計画で失敗してしまったという方も増えてきました。
エアコンスリーブとエアコン用のコンセントを作っておくと、エアコンは後からでも増やせます。
スリーブは雨漏りや気密性能のダウンにつながるリスクがあるので、新築時に施工しておくのが一番安心です。
とくに家電量販店が依頼する業者のスリーブ工事は住宅会社の施工に比べて、リスクが高いので新築時の施工がおススメです。
そのため、子ども部屋などエアコンを長期間使わないスリーブがある場合、今回のような断熱材を施工する方法は有効だと思います。
スリーブに詰めるぐらいのグラスウールなんて、値段はたかが知れていますから施工のメリットは大きいですね。
大工さんなどにお願いしなくても、ただ穴にグラスウールを詰めるだけなので素人でも十分に施工可能です。
より快適で、冷暖房費を下げたい方は、ちょっとしたテクニックとして施工してみても良いかと思います。
はい。
以上、エアコンスリーブの断熱の小ネタでした(^^)
気密、断熱の性能であるUa値やC値はとても大事な数値です。
しかし、エアコンスリーブや換気扇などの穴はC値にカウントされませんし、断熱性能の計算にもカウントされません。
とくに気密に関しては家の隙間が減るほど、こうしたスリーブなどの穴の影響は強く出てくるので、より快適性の高み(?)を目指される方はやっておいて損はないかなと思います。