よくある勘違い「エアコンは乾燥する。」【高気密高断熱】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
くろーばーです。
今週の大阪は最低気温は5℃を下回りますが、最高気温が2ケタあるので、真冬に比べると、まだマシな気候でしょうか。それでも外は寒いですが(*^^*)
さて、今日は暖房システムでよく聞く「エアコンをかけると乾燥する。」という勘違いについて記事にしておこうと思います。
けっこう年配の方がよく言われたりしますよね。エアコンは乾燥するって。
これ、何と比べているかっていると、おそらく石油ファンヒーターと比べているのかなと思います。灯油を入れて燃焼させるタイプですね。
これなら確かに燃焼の際に水蒸気が出るため間違いではありません。
また、最近は見かけませんが、ストーブの上にヤカンを置いて、お湯をわかしているストーブ。これも水蒸気が出て加湿されるため、確かにエアコンは乾燥するといっても過言ではありません。
ところが、最近は聞くのが、エアコンよりも床暖房の方が乾燥しない。オイルヒーターの方が乾燥しない。そんな声が聞こえてきます。
これはほぼ間違いになりますね。
分かりやすい例で言えば、年間棟数2位の一条工務店の家でしょう。
全館床暖房になっていて室温的にはもっとも冬場の快適性の高い一条工務店ですが、オーナーさんが言われるのは冬の過乾燥です。
酷いときには湿度20%代にすら突入します。
カラッカラですね。
さて、ではなぜこうなるかというと床暖房が悪いわけでも、ましてやエアコンだからでもありません。
室温をしっかり暖房すると、必然的に相対湿度はぐんぐん下がっていきます。
とくにエアコンによる全館空調や、一条工務店のように全館床暖房など、家全体を暖めている場合はぐっと湿度が下がります。
一方で部屋だけを暖める暖房器具であったり、周辺だけを暖める電気ストーブやオイルヒーターだったりは、家全体を暖める力としては弱いために、室温上昇が緩やかなため、相対湿度があまり下がりません。
この辺りがエアコンの方が乾燥する、と言われるゆえんですね。
つまり、室温が低くても良いから(相対)湿度がマシな環境か。
室温をしっかり暖める代わりに、(相対)湿度が下がる環境か。
こうなるわけです。
で、当然、湿度が低いと喉を傷めやすくなったり、風邪(インフルエンザなどを含めて)にかかりやすくなったりするため、加湿の必要性が高まるわけですね。
そこで加湿器を使ったり、生活スタイルによっては浴室開放や室内干しといった方法も用いながら加湿をするわけです。
あと、エアコンが乾燥すると思われる原因となっていると思われるのが、これまでの低性能な家のせいもあるのかと。
部屋が寒いから、エアコンをがんがんにかける。
当然、気密も断熱も悪いから風量が強くなる。
また、部屋に人がいる時だけの間欠運転のため、よけいに風量が強くしがち。
もともと部屋が寒いし、気密断熱ができていないから、足元が寒いから不快。
さらに風量を強くする。
そのため体に直接、エアコンの気流が当たり乾燥を感じやすくなる。
悪循環ですね。
だから住宅性能の低い日本では床暖房神話が生まれたり、オイルヒーターなどの暖房器具が宣伝されていたりする。
家の性能が高まってくると、24時間暖房、家全体を暖房、家の構造や家具などが熱を帯び輻射熱が発生。こうなってくると、エアコンの風量を強くする必要はありません。
実際、我が家でも24時間暖房中はエアコンはゆるーく、風が出たり止まったり。そんな運転になります。当然、気流なんて気になりません。
家全体を暖めるため乾燥はしてきますが、浴室開放や、室内干し、調理による水蒸気、家族の発汗・呼吸によって乾燥感は少ないです。
日中の場合は浴室開放もないし、洗濯物も乾いているし、調理もないし、家族も在宅もないので、乾燥感が出ているかもしれませんね。我が家は平日の日中の在宅がないので。
2階は家族の発汗・呼吸によるもの以外は加湿される要素がないので乾燥気味です。ただ、1階に比べると、2階は暖房していない(1階のエアコンのみの運用)ので、2℃ほど室温が低くなります。
(1階が22℃、2階が20℃程度)
そのため、乾燥がそこまで進まないことと、就寝は家族4人が一部屋にまとまって寝ていることから、発汗・呼吸によって自然と加湿されていることから、乾燥がマシになっていることがあるのでしょう。
また、家の容積が家族人数に比べてコンパクトになっていることから、生活から出る水蒸気によって加湿されやすく湿度が上がりやすいという点もあるのでしょうね。
今のところ我が家で在宅時間中、加湿器を用いずに絶対湿度8g/m3を下回ることはありません。8gを下回ってくると乾燥感が出てくるので、この年末に加湿器を出そうというところです。
と、まあこんなところで、よくある「エアコンは乾燥する。」ですが、少し誤った認識が日本ではよくありがちなので記事にすることにしました。
乾燥も起きないほど室温が上がらない暖房器具ではなく、しっかり加温して、さらに加湿も行って、良好な温熱環境を作り出せる家にしたいですね。
そして、その住み心地が良く、健康に良い環境にしたときに、窓サッシに結露が起きないようにしておくことが大切です。
温度・湿度は快適にできたが、窓サッシの結露、そして、最も恐ろしい壁内結露が起きる、ではだめですからね。
家の性能はあとからでは中々、変更が効きませんから、家を建てる時にはしっかり検討して、良い家づくりにされることをおススメします。
ありがたいことに我が家では室内干しの直後を除いて、室温は22℃前後、相対湿度が40~50%、絶対湿度が8~9g/m3と、まずまず良好な温熱環境になっており結露は一切なしです。
欲を言うなら、室温を23℃(とくに床の表面温度が24~25℃)、相対湿度が50~60%、絶対湿度が10g/m3ほどあれば最高なのですが、我が家では光熱費や加湿の手間、などを考えると、この辺りが限界ですね。
室内干しをし始めた時間帯は12g/m3ぐらいの絶対湿度になります。冬ながら、かなり潤っている感じです。
24時間暖房をしていると室温が高く、湿度が上がりにくいので、冬場は半日以下で洗濯物が乾くので非常に楽です。夜に干しておけば朝には乾いていますから(^^)v
突き詰めて家づくりをされる方は、全熱1種換気や床下エアコンなどで、さらに快適な家づくりも良いと思います。
高気密・高断熱な家づくりは少しずつ広まってきましたから、これからは湿度のコントロールが課題になってくるかと思います。
ウェルネストホームさんなどの先進的な住宅会社もありますし、これから湿度コントロールを含めて、より良い家づくりの研究が進んで欲しいですね。