質問にお応えしてみる⑩ 高気密住宅は換気扇を回すと玄関ドアが開かないの?
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
くろーばーです。
コメントでご質問を頂きました。
「高気密の家では換気扇をまわすと玄関ドアが重くなるのですか?」
という内容です。
今日はこの件について記事にしていこうと思います。
まず、結論から言うと、
「条件によります。」
と、なります。
どんな条件で変わってくるのか、について書くと、
①どれほどの気密性か。(C値はいくつか)
②気密測定(C値)で現れない隙間がどのぐらいあるのか。
(例えばトイレや浴室の局所換気などの隙間)
③24時間換気が3種か1種か。
④24時間換気の換気装置の静圧の強さ
⑤玄関扉が内開きか外開きか。
(日本の玄関扉は基本的に外開きです)
あるいは引き戸か。
⑥換気装置の風量がどのぐらいか。
⑦キッチンのレンジフードが同時吸排気型か。
⑧キッチンのレンジフードやトイレの換気扇がダンパー付きかどうか。
(換気扇を回したときだけ蓋が空いて吸気口が生まれる仕組み)
これらの条件が複雑に絡むので、一律にどうかとは言えません。
新築マンション(RC造)の平均的なC値は1.0ぐらいと言われています。
こうした高めの気密性能があるマンションではキッチンの換気扇を強でまわしたときに玄関扉が開きにくくなる、という声はまれに聞きます。
マンションの24時間換気は3種がほとんどでしょうから、室内は負圧になっている場合がほとんどでしょうしね。
ただ、個人的に思うのは、それほど神経質になるほどではありません。
力強く押せばちゃんと開きます。
玄関ドアを開けるタイミングでキッチンのレンジフードを強でかける回数なんて、まあ、そんなにないですからね。
玄関扉を開けるときに重くなるのは気密を破る一瞬だけです。
ある程度の隙間ができれば負圧の状態ではなくなるからです。
さて、それでもどうしても気になるという方のために、いくつか改善策をご紹介します。
①キッチンのレンジフードを同時吸排気型にする。
キッチンのレンジフードは非常に風量が大きいです。
24時間換気とは比べ物にならない風量になります。
そのために、レンジフードを強で回したときに玄関扉が重くなることがあるわけです。
どうしても気になる方はレンジフードを同時吸排気型に変更することで、レンジフードを回しているときだけ、同量の吸気をレンジフード内で行います。
なので強い負圧にならないため玄関ドアが重くなることがありません。
その代わりオプション費用が掛かる場合がほとんどだと思います。
私が4年前に見積もりをとったときで、7万円ほどのオプション費用でした。
②24時間換気を1種換気にする。
熱交換があるかどうかは別として、1種換気にすることです。
3種換気はその仕組み上、家の中が負圧になります。
そのため玄関ドアが重くなりやすいのですが、1種換気は吸気も機械で行うため3種に比べると負圧になりにくくなります。
そのため玄関ドアの重たさも軽減されると思います。
吸排気量のバランスによっても変わると思うので、すべてが当てはまるかどうかは確認できませんが、3種に比べればマシになるでしょう。
この辺りで対策されると良いかと思います。
ちなみにトイレやお風呂の換気扇の風量は、キッチンの換気扇と比べると少ないため、それほど玄関ドアが重くなることはないようです。
何かの参考になれば幸いです。