泉北ホームのモデルハウスに行ってみた⑤(貝塚・岸和田モデルハウス&ショールーム)
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
さて、泉北ホームの貝塚ショールーム&モデルハウスのシリーズ最後の記事となります。ここまで長くお付き合い頂きありがとうございます。
延床面積30坪ほどのリアルな大きさのモデルハウスとなっています。
今回のショールームとモデルハウスは造園家の荻野寿也先生が外構を手掛けられたこともあり、植栽は必見となっています。
建物に合わせた植栽の長さや、木々の傾き具合など、植栽とはこうするものなのかと勉強させてもらえます。
植栽の足元にも注意を払ってみると、気づくことがたくさんあることでしょう。
普通の土の色とは違ったり、自然素材である石を上手に配置したり。
これ、室内側のキッチンから見れるのですが、うまく配置されていると思います。西日の遮蔽にもなるかもしれません。
ウッドデッキもゆったり植栽を楽しめるような配置でステキですね。
さて、ではモデルハウスに入らせて頂きましょう。
玄関は特筆するものはありませんが、洗面脱衣室の壁の上部に穴がポッカリ開いていますね。
これはまた、後でまとめることとします。
洗面脱衣室の奥はお風呂。
台をなくして、シャンプーなどを壁付けにするのは、掃除的にはすごく楽になるので、お勧めします。
20畳弱のLDK。
キッチンには大きな窓を配置して、植栽が楽しめるようになっていました。
(言いたいことはあるが、まだ我慢・・・)
窓の下にはガラリがついています。こちらも解説は後ほど。
キッチン裏にはパントリーがあります。
普通は裏に設けないのですが、今回はこの大きな窓をつけるためにあえて裏にパントリーを設けたようです。(間取りとしてはロスが多いのでいまいちです。)
ここはモデルハウスなので別に良いのですが、こうした狭い空間に床下点検口を設けるのは、一般住宅ではあまりお勧めしません。
実際に床下に潜って点検する際などに出入りしにくいからです。これは天井点検口も同じです。
確かに見栄えなどがよく無いので分かるのですが、出入りはしやすい位置をお勧めします。
こんな位置にインターフォンや給湯器の操作板を持ってくるのは、設計としてどうなんでしょうか・・・。
リビング。
植栽が良い感じです。
ダイニング。
ダイニング。南西面。
植栽はきれいに見えます・・・日射遮蔽が・・・(゚o゚;;
そこから見える庭は面白い。
キャンプファイアーができるような感じになっていました。
もーえろよ、もえろーよ。ほのおよ、もえーろー♪
林間学校を思い出しますね。
一つ、面白い工夫がされていたのでご紹介。
分かりますか?
気づいた人はプロ施主です(笑)
拡大してみます。
壁についている白色の四角いのは3種換気システムの吸気口です。
冬場は冷気が入ってくることもあり、普通は高い位置に設けるのがセオリーです。しかし、ここではあえて床に近い位置に設けています。
それはなぜか・・・。
これも後でまとめて記事にしますね。
(引っ張る引っ張る(^o^)
次に、2階に上がります。
主寝室です。
ここの設計は面白かったです。
普通、主寝室に隣接する書斎は一つの部屋で間仕切るのが一般的です。
ここでは、パーテーション的な仕切りを入れるだけにして、視線を通したり、採光を通したりする設計にしていました。
これは一つのアイデアですね。
このモデルハウスは南西側に池があるので、その眺めも味わうことができます。
子ども部屋です。
まあ特筆することもないでしょう。
ロフトがついているぐらいかな。
垂直タイプのハシゴなので、もしお子さんを連れて行くときは落下しないようにだけ、要注意です。
2階トイレ。
はい。
ということで、以上、モデルハウスの紹介でした。
・
・
・
・
・
・
はい。
では、引っ張っていた件ですが、ここからは、くろーばーのお説教タイムに入るので、泉北ホームへの批判を聞きたくない人は、ブラウザの戻るボタンをお願いします。
まあ、結論から言いますと、断熱、日射遮蔽、空調計画が酷すぎました。
私が過去に見た100件以上の家の中で最低です。ダントツで。
(言い過ぎではなく、リアルに最低です)
9月10日にオープンして2週間ほど経ちましたが、すでに見学された方は実感されたかと思います。
とくに断熱に詳しい方でなくても、うん?このモデルハウス暑くない?と分かります。
実際、私が訪れていた時間に来られていたお客さんでも、ちょっと暑いね、と感想をのべられていました。
また、泉北ホームの施主友さんがお二人、貝塚モデルハウスに行かれていますが、モデルハウスが暑いという感想を漏らしていらっしゃいました。
30坪のコンパクトハウスを冷房できない家なんて最低すぎます!
理由はいくつかありますので、その辺りを解説していきます。
まず、断熱に関してです。
はっきり申して開いた口が塞がらないとは、このことなのですが、このモデルハウス。
ひじょーーーーーに、性能の悪い窓を使っています。
リクシルの窓を使っているのですが、その名もサーモスL。
この窓。
2022年9月現在で、4世代も昔の窓になります。
そもそも窓は樹脂サッシ窓を強くオススメします。
半樹脂サッシを採用されるのは極力さけて頂きたいのですが、これはその中でも酷すぎます。
現在リクシルが出している半樹脂サッシは、新しいものから、
①TW
②サーモスx
③サーモスⅡーH
④サーモスL
となります。
(サーモスXは廃盤)
4世代前・・・・。こんな時代遅れも良い窓をよくもまあ使ったものです。
このブログでも、樹脂サッシの窓を使いましょうと、7年間書き続けてきました。
実際、泉北ホームはYKKap社のAPWという樹脂サッシ窓を関西で一番採用していることで表彰も受けている会社です。
また、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーという省エネ住宅の部門で、大賞を受賞するなど、非常に先進的に頑張っているハウスメーカーです。
最近ではAPW430という樹脂サッシのトリプルガラスを標準採用したこともあって、私も大絶賛していましたし、全国的にも泉北ホームに注目が集まっていました。
私も施主OBとして泉北ホームを全国に紹介して恥ずかしくないと、ブログでもたびたび紹介していましたが・・・・これでは恥以外の何者でもありません。
情けない!
ハッキリ断言しますが、こんなバカげた窓を使っている限り、住まわれる人の健康や快適は実現できませんし、こんな窓を使っている実務者の神経が分かりません。
このモデルハウスの隣にあるショールームで、あなた達は何を展示しているのですか?
断熱が人の健康や快適にどれだけの影響があるかを、展示しているのではないのですか?
それとも何ですか?
住んでいる人が、ダニやカビやアレルギーや結露で苦しんでも良いというのでしょうか?
泉北ホームはそれを良しとする家づくりをする会社という認識で良いのですね?
それならそれで私は構いませんが、すでに家の性能について知識を持たれている方も多くいらっしゃいますし、他社でも高断熱が当たり前になりつつある最近の情勢では、もう泉北ホームは今後、見向きもされない住宅会社に落ちぶれていくことになると思いますがよろしいのですね?
勉強熱心な工務店さんはもちろんのこと。
ハウスメーカーでも、一条工務店を先頭に、ヤマト住建、アイ工務店、桧家住宅、吉村一建設、アーキホームライフ、小林住宅。
タマホーム、レオハウスといったローコスト系のハウスメーカーなども、大地の家など超高断熱の仕様も売り出しています。
値段を比べたら泉北ホームよりも価格が安いですからね。
健康、快適も守れないような家なら、安い方が良いですし、こういったメーカーの方が断然に良いですね。
もし今後も泉北ホームが本当にそういった方向に進まれるというのであれば残念でなりません。
私も知り合いの方や相談に来られる方には、泉北ホームを勧めるわけには行かなくなりますね。まあ、私が言わなくてもお客さんの方が離れていくことでしょうが。
さて、話を戻して、今回のモデルハウス。
なぜ、こんなに酷評されるまでに建物内が暑いかといえば、当然、断熱性が弱いからでもありますが、そもそもエアコンが効かない空調計画が問題なのです。
冒頭の方でお見せした洗面脱衣室に設置されたエアコン。
東大阪や平野のモデルハウスは非常に良くできた空調計画でした。おそらく、その真似事をしているのでしょうが、素人でも分かる大失敗です。
玄関側の壁に穴を開けてエアコンに空気を吸わせて、冷気を出すようになっていますが、なぜ洗面脱衣室に設置したのでしょうか。
この冷気の行き先は洗面脱衣室とお風呂場でしかありません。
そのため、お風呂場と脱衣室だけが冷たく(涼しいではなく寒い)、LDKに冷気が全く行き届かない状態になっています。
しかも、リビングやダイニング、キッチンには、断熱の弱点であるのに大きな窓を取り付けています。
しかも、大きい窓なのに超低性能!!
しかも、アルミスペーサー!!
(住まい手を困らせたいのですかね?
こんなお粗末な断熱で、
こんなお粗末な日射遮蔽で、
こんなお粗末な空調計画で、
冷房できると思っているのが解せない。
素人の私でも、もっとまともに空調計画立てますが!
次に、2階の空調を見てみましょう。
2階はファミリークローゼット内にエアコンが配置されています。
これは、東大阪や平野のモデルハウスと同じ形なんですが、真似事だけしてもダメです。というか、考えれば分かることだと思うのですが。
廊下に面したところに穴を開けて、空気の入る道を作る。
上部にある木の箱のようなものが空気の取り入れ口・・・にしたかったと思われる場所。
それをファミリークローゼットの奥にあるエアコンに吸わる作戦・・・なのだと思いますが、何がしたいんでしょうね。
まず、ツッコみたいのが、この通り道とエアコンの吸気部分に隙間が大きすぎること。
こんなので暖気だけ吸わせようなんて甘すぎる設計です。
エアコンはダイソンの掃除機じゃないんですから、もっと密閉させた状態じゃないと、暖気を吸いませんよ!
さらに、ツッコみたいのが、エアコンから出す冷気をどうやって他のスペースに送り届けるかの空調計画が全くできていないこと。
ファミリークローゼットの、しかも最も奥まった所にエアコンを設置して、いったいどうやって他のスペースを冷やそうというのでしょうか。
画像の床にあるガラリは何を目的に作ったものなのでしょうか。
冷気を1階に送るのであれば、全く風量が足りないですし、意味がわかりません。
また、1階の床にはガラリがたくさんあり、これらは床下エアコンのためのものかと推測します。
窓下やトイレなどにガラリが設置されている事態は適切なのですが、残念なことに床下エアコンの本体が見当たりませんでした。
普通は、テレビ台の付近に設置したり、キッチンのコンロ裏の空きスペースに設置するのが一般的です。
東大阪のモデルハウスでも、そうでしたね。
ところが、今回、どこを探しても見当たりません。
別の施主さんが探しても見つけられなかったとのことでした。
ただ、検討はついています。
ここです。
???
と思われた人、正解です。
普通だったら気づかないし、こんな所には設置しないと思いますが・・・・。
なんと、カーペット下でした
コンセントも設置されていました。
ただ・・・ね。
これ、エアコンのリターン(吸気)は、どうするおつもりで、ここに準備されたのでしょうか。
このままいけば、夏の冷房だけでなく、冬の暖房計画も大失敗に終わりますよ!
冷房に比べて簡単な暖房計画で失敗したら、もう無能以外の何者でもありません。
何がしたいのか、さっぱりです。
ついでにアドバイスするなら、ガラリの数が多すぎて、適切な場所に、適切な量の暖気が送り込めないと思いますよ。このままでは。
どのみち、ここに設置するのであれば、リターン(吸気)ができないから、サーモオフしてエアコンが動かないですけどね。
そんなことは素人の私でも分かるのですから、プロである建築会社、設計士はちゃんと知っておいてください。
・
・
・
・
・
色々とツッコミどころしかない貝塚モデルハウスでした。ハッキリ言って、見学したあと、あまりの怒りで吐き気を催すほどでした。
荻野寿也先生の植栽はとても素晴らしいものでしたし、一応、その植栽が見やすいように設計していることも分かります。
が、断熱と日射遮蔽は酷すぎるし、空調計画は破綻していて、住まい手にとって悪夢のような建物になっています。
これが床下エアコンや小屋裏エアコンなどの先進的な空調計画への産みの苦しみというのであれば理解できますが、それでも断熱や日射遮蔽はちゃんとできるはずです。
これまで、松尾和也先生や太田先生などにもレクチャーを受けているはずですし、相談もできるはずでしょう。
あまりにもひどいモデルハウスだったので、苦言を言わずにはいられませんが、真面目に住まい手のことを考えた家づくりをお願いします。
これではあんまりです。
ある意味、隣にあるショールーム1階の高性能窓APW430との体感比較になると思うので、次は、冬に体験しに行かれると良いかと思います。
下手をすれば、湿気を出さないモデルハウス内でありながら、窓に結露が起きる可能性がありますね。
冬場、ぜひ北側の日が直接当たらない窓を触れてみて下さい。冷たいし、足元が寒いでしょうね。やれやれ。