工務店、ハウスメーカーが出来ていないこと5選。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
くろーばーです。
パッシブハウスジャパン理事の松尾先生。
初回の動画で学んだことを記事にしていこうと思います。
500社以上の工務店を指導して見えてきた工務店が出来てないことワースト5
一般的な住宅会社ができていないトップ5が、以下の通りと言われています。
1位 窓の性能
2位 屋根断熱の性能
3位 床または基礎の気密
4位 日射取得と日射遮蔽
5位 冷暖房計画
どれも当ブログでも何度も書いてきたことですね。
順に見ていきましょう。
1位 窓の性能
これは当ブログで何十回と書いてきた窓ですね。
家が暑く、寒くなる最も大きい原因が窓です。
断熱材が一番に大事だと勘違いされている方も多いのですが窓なんですね。
家から逃げていく熱(冷気)の50%以上は窓から逃げていきます。
窓はガラスとサッシ(枠)から出来ています。
とくにサッシの性能によって、寒い・暑いだけでなく、結露の状況がまったく変わってきます。
窓を選ぶなら樹脂サッシの一択になります。
(のちのメンテナンスができる方なら木製サッシも良いです。)
アルミサッシは論外ですし、アルミと樹脂の複合サッシもダメです。
(温暖地のサーモスXはOK)
アルミ樹脂複合サッシは、半樹脂サッシとか、アルプラとかの別名で呼ばれることもあります。
家の外側がアルミサッシになっていて、内側が樹脂サッシになっています。
両方がアルミサッシになっている窓よりも性能は上がってはいます。
ただ、家の中を快適な環境、冬場で言えば室温20℃以上で、湿度が50%前後にすると、半樹脂サッシでは結露を起こします。
露点温度を超えてしまうからです。
ときどき、ウチはアルミサッシ窓でもほとんど結露でていないよ、という方がいらっしゃいます。
話を聞いてみると、室温がメチャクチャ低い。
12℃とか、15℃ぐらいで過ごされています。
日本人って我慢強いですが、室温の低さは高血圧や心筋梗塞などの大きな原因になっています。
イギリスやドイツでは室温が18℃以下だと欠陥住宅として法律的に処分を受けることになっているほど。
これは快適さだけで言っているわけではありません。
室温が健康に及ぼす影響がハッキリわかっていて、かかる医療費が社会保険料に対する影響の強さが分かっているためです。
アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシを使うということは、社会福祉の制度崩壊への引き金を引いていると言って差し支えありません。
これからはアルミサッシやアルミ樹脂複合サッシを使う住宅には、医療費に対する負担税をとった方が良いでしょうね。
タバコが増税され、運転中のシートベルトや携帯使用が厳罰化されているのと同じ理由です。
こういう会社にはどんどん課税して欲しいと思います。
2位 屋根断熱の性能
最低でも壁の断熱の2倍です。
一般的なお家の壁は、
・木造軸組工法(在来工法)で、105mm(3.5寸)か120mm(4寸)。
・木造枠組工法(ツーバイフォー工法)で、90mm。
*ツーバイシックス工法なら140mm。
が、柱の厚みになります。
この柱の厚みだけ壁の断熱材が入れられるわけです。
つまり、屋根の断熱材は、最低でも200mmの厚みは必要だと言われています。
ちなみに、高気密・高断熱にこだわっている住宅会社では、おおよそ300mmあたりが多いです。
この厚みは断熱材の性能によって変わる場合があるので、断熱性能を示す熱抵抗値で考えると分かりやすい。
熱抵抗値は、
(断熱材の厚み)÷(断熱材の熱伝導率)で簡単に求めることが出来ます。
日本で最も普及しているのが高性能グラスウール16kかなと思います。
その熱伝導率が0.038w/m・k です。
厚みは、メートルで表します。
例えば100mmの厚みで天井(あるいは屋根)の断熱をすると、
(0.1m)÷(0.038w/m・k)=約2.63
と、なります。
この2.63が熱抵抗値です。
一般的に、この熱抵抗値が5.0を超える屋根断熱だと高断熱と言われます。
この100mmの屋根断熱を200mmの厚みにすると、どうなるでしょうか。
200m÷0.038w/m・/k=約5.26
当たり前ですが2倍の熱抵抗値で、5.26となりました。
壁の断熱材が100mm前後のため、屋根の断熱は200mm前後が必要だということが分かります。
これが最近はやりの吹付ウレタンの断熱材ならどうでしょうか。
アクアフォームとか、フォームライトなどの商品名すね。
これらの熱伝導率は、約0.035です。
泉北ホームを例にすると、フォームライトSLなので、熱伝導率は0.034。
+サーモ仕様の屋根断熱の厚みは、230mm。
0.23÷0.034=約6.76
となり、高断熱の域に入ってきています。
これがプレミアム仕様だと、140mmの厚みになるので、
0.14÷0.034=約4.12
となり、少しだけ足りません。
屋根断熱は厚くするだけで性能が比例して上がっていきます。
あまり人件費やその他の構造材で費用が変わりにくいところなので、予算に都合がつけばオプションで追加することをおススメします。
3位 床または基礎の気密
戸建ての家の下は、床下で断熱するか、基礎で断熱するかの工法の違いがあります。
一般的に基礎断熱の方が気密はとりやすいです。
ただ、ここはシロアリ対策との兼ね合いがあり難しいところです。
シロアリ駆除の方の話では、基礎断熱にしている家が圧倒的にシロアリの被害にあっているとのことです。
シロアリ被害を受けにくい寒冷地にお住まいの方なら基礎断熱の方がよいでしょうね。
大阪など温暖な地域に住まれている方の場合は迷うところですね。
床下で断熱する場合は、床の合板の継ぎ目に気密テープを貼るなどして気密施工する必要があります。
また、軸組工法であれば気流止めは必須ですので、必ず施工してもらいましょう。
これをしないと床下の冷たい空気がどんどん室内に侵入してきますので。
4位 日射取得と日射遮蔽
この日射の計算をしてくれる会社がホントに少ないんですね。
私自身も自分で計算して、軒の出や角度などを考えて設計担当の方に依頼しました。
一般的な設計ルールでは窓の高さの3分の1と言われています。
これは微妙に間違いです。
これも松尾先生の他の動画で説明されていますが、軒の先端から窓の下端までの長さを10とした時の、軒の出3というのが原則です。
逆に考えると、コンバイザー(付け庇)の場合は、軒の出よりも短くて済みますね。
5位 冷暖房計画
これが、また難しい。
暖房計画は、まだやりやすいのですが、冷房計画ができるのは温熱のプロでも数が少ない。
暖気は上昇しやすく、また拡散しやすいのですが、冷気はなかなか水平方向に動いてくれない。
また、ダクトを使って全館空調するにもダクト内やダクトまわりで結露する可能性がある。
ファンを使って居室に冷気を送ろうとすると、音の問題も出てくる。
冷房計画は難しいです。
まだ私自身も、冷房計画はコレ、という答えは見つかっていないです。
松尾先生が今後、動画で紹介してくれるかもしれないので、楽しみに待っているところです。
と、いうことで松尾先生の動画から、自分なりに咀嚼したことを記事にしてみました。
健康で、快適、小エネで、経済的な家づくりをされたい方は、温熱のプロたちの発信でしっかり勉強しましょう。
一生を左右する住環境が変わりますよ。