24時間換気の実効性
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
奈良県で設計事務所を設立された神崎先生。温熱環境のプロ中のプロ。
設計はもちろん、気密施工監理、果ては工務店のコンサルまでできるスーパー設計士です。
奈良県周辺で、冬暖かく、夏涼しい家づくりをお考えの方は、神崎先生にご依頼するのが最も安心で近道だと思います。
で、その神崎先生のブログで以前、書かれていたことでハッとしたことがあります。
日常生活を送っていると自然と「ふわわ~。」と出る欠伸(あくび)ですが、そういえば現在の住まいになってから、欠伸をした記憶がほとんどないのです。
あまりにも普通の行動だったのに・・・。
よく考えてみると、室内の酸素濃度が下がっているから、脳にたくさん酸素を取り込もうとするんですよね。だから、あくびをする。
今の住まいで暮らすまで、実家と賃貸(4件)で生活しましたが、あくびが出ないお家は当然ありませんでした。
空気の状態は見えないので今まで生活して意識したことはなかったですが神崎先生のブログを見ていてハッとしました。
室内の酸素濃度は人の学習意欲・効率にも影響するので、子どもの学習状況に影響するでしょう。
「遊んでばかりしてないで、勉強しなさい。」
と、親が子を100回叱るよりも、きちんと24時間換気をする方が勉強のできる子に育つかもしれませんね。
そのためには、やはり気密の性能。そして換気装置の性能や換気経路といった換気計画をしっかり立てること。
目に見えないところで、高気密や適切な換気によって健康を守られていることに気が付いた瞬間でした。
換気については過去に何度か書いていますが改めて。
上記の図のように、吸気口と排気ファンはできるだけ離して設計する。これによって、室内全体に新鮮な空気が行き渡ります。
吸気口と排気ファンが近いとショートサーキットが起きて、うまく換気されません。
気密性と換気能力との関係について。
家の気密性は換気能力に直結します。換気の実効性は、C値1.0で50%、C値0.5で70~80%程度と言われています。
奈良の設計士・神崎先生がC値は最低でも0.7と言われているのは、この辺りが理由。
次に、換気ファンの能力。気密が低ければ低いほど、換気ファンの能力が必要になります。
在来工法で気密施工を行わない旧来のC値5.0以上クラスのお家では計画的な換気はまったく見込めません。
家の中であくびが出るのも、こうした事の表れなのでしょう。
現在、拙宅を建てて頂いた大阪の中堅ハウスメーカー・泉北ホームの換気は、熱交換を伴わない1種換気が標準です。
泉北ホームは通常の仕様で、C値が1.5前後。
気密施工を行う+サーモ仕様で、C値が0.5~0.7。
通常仕様なら、吸気側も機械で行う1種換気なら計画的な換気を見込めると思います。
+サーモ仕様のC値0.7以下になってくると、1種換気まで必要でない気もしますが、将来的な経年による気密劣化を考えると標準の1種換気のままが良いかも知れませんね。
我が家の換気について。
C値が0.29で、3種換気(スティーベルのLa-60)を採用しています。
で、実際の換気状態はというと、確実な換気が行われています。
1度、梅雨時に24時間換気の電源を落としてみたのですが、1日でクローゼットの中から、ムワっとした湿気を感じました。
普段は一切そのように感じないので換気能力が良く分かります。
また、真冬に室内温度を25℃という、かなり暑い室温にした上に、ハニカムシェードを全閉した状態にしていましたが、一切の結露がありませんでした。
ここからも十分な換気だということが分かります。
逆に言うと、家中の空気を2時間で1回入れ替えるという24時間換気の規定を上回り、少し換気量が多いように思います。
換気だけでいうと文句なしの状態なのですが、夏や冬は冷暖房をしています。冷暖房した空気を余分に室外へ捨ててしまっている事になるので、もう少し換気量を加減したいところ。
理想的には、窓が結露しないギリギリの換気量が光熱費的には良いわけです。(室内のCO2濃度の問題もありますが。)
しかし、La-60は弱と強の2段階でしか換気量を調整できません。
実は拙宅を建築中に気密測定を行った際、C値0.29が出た時からちょっと危惧していたことではあったのです。
C値1.0以上ならLa-60の能力でも良いと思うのですが、C値0.3以下というハイレベルな気密になってくると、逆に標準的な換気装置で十分だったのかもしれません。
我が家は浴室の暖房乾燥機を廃止している分、実質的な隙間が少ない住宅になっている分、余計に換気能力が低くても(=負圧にする力が弱くても)良いわけです。
ただ、新築の現在がそうであるだけで数十年住んでいくなかで気密の劣化は避けられないでしょうから、その時にはある程度の能力が必要になるのかも知れません。
これらすべてを考えると、住むまでは浴室の換気の対策を考えてLa-60を採用しましたが、通常の換気ファン、あるいはダクトレス全熱1種換気あたりが正解だったように思います。
こう書くと失礼になってしまうのですが、気密施工に慣れていない泉北ホームで、ここまでの高気密にして頂けるとは思っていなかったので(ホント失礼)、対策しすぎたという感じです。
泉北ホームや現場監督Dさんに深く感謝していますm(__)m
契約当時は保証値でC値1.0。実質は0.7ぐらいだろうという話でしたので、それに合わせて換気も考えていたので(*^_^*)
C値0.5程度以下に出来るなら通常の3種換気装置、あるいはダクトレス全熱交換1種換気がおススメ。
C値1.0前後以上なら1種換気(熱交換を伴わない)、あるいは全熱交換1種換気(ダクトあり)、もしくはLa-60。
泉北ホームの+サーモ仕様なら、標準仕様の(熱交換を伴わない)1種換気のままか、ダクトレス全熱交換1種換気をおススメします。
ダクトレス全熱交換1種換気は、例えば、
日本スティーベルの「Lt-50」や、
インヴェンターの「ヴェントサン」、
パッシブエネルギージャパンの「せせらぎ」
等があります。
電設については詳しくないので性能については調べて頂きたいですが、住宅会社の仕入れ値もあると思います。予算に応じて検討してみて下さい。