【基礎コンクリート】 クラック&ジャンカについて
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
泉北ホームの施主友「たおさん」から基礎についてコメントを頂きました。以前にも数名の方から基礎工事についてご相談を受けたことがあります。
自分自身も基礎について興味をもっているので少し調べてみました。
まず、基礎コンクリートのジャンカについてです。
ジャンカとは、このような物です。
コンクリートは骨材としての砂利に、ペースト状のセメントを混ぜることで結合させています。
この混ざりが良くないとジャンカが発生します。特段めずらしいものではなく、程度の軽い物であれば多くの基礎で発生しています。
くろーばー家の基礎でも、ジャンカは何か所もあります。
以下の画像は、くろーばー家の基礎立ち上がり部分を施工する場所です。
給排水管を通す筒の下に見えているのが基礎コンクリート底盤部分。
底盤部分に砂利の形がはっきり見えているコンクリートが見えます。程度は軽いですが、これがジャンカです。
バイブレーションによるセメントの撹拌が不足していることが原因かと思われます。
さて施主としては、このジャンカの程度が構造上、問題があるかどうかを見極める術が欲しいところですよね。
施主友たおさんは担当営業マンさんに、
「ウチの基礎コンクリートは強固だから大丈夫ですよ。」
と説明されたそうです。
もうね。何が大丈夫なのか、さっぱり分かりません。
もし仮にくろーばーの担当営業Mさんが上記のように答えたら、僕なら1時間ぐらい質問攻めにします(^O^)
・・Mさんはくろーばーの性格を知っているので、そういう答え方は絶対されませんが(*^_^*)
コンクリートの呼び強度が高いから大丈夫なのか、地中梁を使っているから大丈夫なのか、ダブル配筋だから大丈夫なのか・・。
「強固だから大丈夫」という「定性的な」説明ではさっぱり分からないのです。
営業マンさんも施主を安心させたいという親切心で話されていると思うのですが、これでは説明の価値がありません。
泉北ホームでは季節に関係なく、コンクリートの呼び強度が27Nだから大丈夫。
主筋が13mmの鉄筋だから大丈夫。
200mmごとに配筋しているから大丈夫。
・・というような「定量的な」説明を施主は望んでいます。それが専門性だと思います。それは営業担当では分からなければ、それはそれで良いのです。
担当営業Mさんも分からないことは、ちゃんと分からないと言ってくれます。
「分からないので設計担当に聞いてお返事させてもらって良いですか。」
「調べてから返事させて頂いてよろしいですか。」
という回答の方が、僕としてはよほど信頼できます。もちろん、そのまま放置されたら困りますけどね(*^_^*)
その辺りを丁寧に対応して頂いたからこそ、くろーばーは担当営業Mさんを信頼しているのです。
(お。今日はネタではなく、Mさんの存在がブログ記事で輝いていますね☆(*^_^*)
さて、話が逸れてしまいました。
基礎コンクリートについて日本コンクリート工業協会が、『コンクリート診断技術 '02』の中で、 ジャンカの程度を等級で示しています。
それについての補修方法も示しているので、非常に分かりやすいです。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
等級別ジャンカの程度と補修方法
等級 ジャンカの程度 深さの目安 補修方法
A 砂利が表面に露出していない。
B 砂利が露出しているが、表層の砂利を叩いても剥落することはなく、はつり取る必要がない程度。 1~3cm ポリマーセメントモルタルなどを塗布
C 砂利が露出し、表層の砂利を叩くと剥落するものもある。しかし、砂利同士の結合力は強く連続的にバラバラと剥落することはない。 1~3cm 不要部分をはつり取り、健全部を露出、ポリマーセメントペーストなどを塗布後、ポリマーセメントモルタルなどを充填する。
D 鋼材のかぶりからやや奥まで砂利が露出し、空洞も見られる。砂利同士の結合力は弱まり、砂利を叩くと連続的にバラバラと剥落することもある。 3~10cm 不要部分をはつり取り、健全部を露出、無収縮モルタルを充填する。
E コンクリートの内部に空洞が多数見られる。セメントペーストのみで砂利が結合している状態で、砂利を叩くと連続的にバラバラと剥落する。 10cm以上 不要部分をはつり取り、健全部を露出、コンクリートで打ち換える。
出典:コンクリート診断技術 '02 (日本コンクリート工学協会)
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
この等級表に準ずれば。
くろーばー家のこのジャンカは、
「砂利が露出しているが、表層の砂利を叩いても剥落することはない。」
という状態なので等級がBとなり、モルタル仕上げする程度のものです。
モルタルは強度が出るものではありませんから構造の強度にはまったく関係ありません。要するに見栄えの問題です。
特に上記の画像では、このジャンカ部分の上に基礎立ち上がりのコンクリートが打設されるため、モルタル補修する意味すらありません。
よって「問題ない」わけですね。
こういう形で説明がされていれば、施主友たおさんや、以前にご相談を受けた方も安心できたのではないかと思います。
構造上、心配になるのは等級D、Eのレベルです。もし、ジャンカ部分を叩いて砂利が剥離するようであれば住宅メーカーに是正措置をとって頂く必要があります。
泉北ホームは地域密着型の信頼できる住宅メーカーだと個人的には思っているので、構造上問題あることには必ず対応して頂けると思います。
しかし残念ながら世の中を見ると、そうではない住宅メーカーもあるようです。これは大手ハウスメーカーだからと安心は出来ません。
等級D、Eのような状態であれば証拠となる画像、動画を収めておくと良いかと思います。
ただし一方で、施主側も不安に駆られてクレームを出すだけのような行動も慎むべきです。
施主の側も「定性的な」問題提起では住宅メーカーも困るでしょう。しっかり調べて合理的な根拠をもってください。
そのためにも勉強ってホント大切だなと思います。
次に基礎のクラックについてです。
クラックとは「ひび割れ」のことです。
建物を支える大事な基礎にひびが入っていると不安になりますよね。
まず、一番分かりやすい基準がクラックの幅(長さではない)が、0.3mm以下ならほぼ問題はないようです。
一般的に、この幅0.3mm以下のクラックのことを「ヘアークラック」と呼びます。ヘアークラックなら大きな問題はなさそうです。
ちなみに、0.3mmとはテレホンカードの厚みだそうです。今ではテレホンカードなんて使いませんが(*^_^*)
クラックの幅が0.5mm以上の場合は、補修を検討しなくてはいけません。水が入り込む隙間が大きいからです。
水が内部に入り込むと、大切な鉄筋がさびる可能性が上がってしまいます。
基礎は鉄筋とコンクリートの接合によって強度を保っているので、これ以上の幅のクラックはモルタルなどで補修する必要があります。
また、ヘアークラックであっても数が多い場合は、クラックの原因が耐力にある場合があるので注意が必要です。
クラックの数が、1m以内に3つ以上が目安だと言われています。
基礎コンクリートを打設するのにヘアークラックは、どうしても起きてしまいがちですが、ある個所に集中してあるようなら、ここに建物の重みが集中してかかっている可能性や、土地の地盤が不動沈下している場合があります。
なので複数のクラックが特定の場所に集中している場合は注意が必要なわけです。
クラックの起きている方向も大切です。
通常、クラックは重力の働く縦方向に置きますが、これが横方向(地面に対して平行な方向)に起きている場合は、構造的な問題である可能性があります。
この画像は、くろーばー家の基礎コンクリートの底盤にできたクラックです。
長さは長いところで30cmほどありますが幅が0.5mm以下なので問題視していません。
見た目にキレイではないですけどね(>_<)
ということで、今日は基礎のジャンカ&クラックについてでした。参考になれば幸いです。