デュアルベンチレーション ~積水ハウスの通気工法~
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
当ブログをお読み頂いているぽこにゃんさんからコメントを頂きました。
いつもありがとうございます。
ぽこにゃんさんは昨年度、積水ハウスでお家を建てられた施主様です。
ぽこにゃん邸はステキな設備仕様も満載で、低予算くろーばーからすると垂涎の的です(>_<)
頂いたコメントがお家づくりを考える上で、大切な要素をたくさん含んでいるのでご紹介させて下さい。
はじめコメントに返信を書いていたのですが返信がかなり長くなったのと、家づくりをしている方に知って頂いた方が良いだろうという内容がたくさんありましたので記事化の運びとさせて頂きました。
ぽこにゃんさん、貴重なコメントをありがとうございます。
まず、タイトルに上げた「ベンチレーション」から。
積水ハウスのベンチレーションとは、住宅の外壁通気工法のことを指します。
これは以前にもご紹介したアイフルホームさんの通気イメージ図です。
アイフルホームさんに限らず、近年の木造住宅はほぼ例外なく、こうした流れで通気を行っています。
一方、積水ハウスでは「デュアル」ベンチレーションという形をとっています。
デュアルとは「2つの」という意味です。
つまり通気層が2つあるということです。
通常のお家は構造用合板の外側だけが通気層になっています。
積水ハウスの場合は通気層を2つ設けて、壁内結露の防止を図っているのですね。
ここで興味を持ったのは、
①構造用合板の内側にも通気層があることで断熱層がどうなるのか。
②2つ通気層があることによる換気量の違い。
です。
通常、柱の厚みの空間に断熱材を入れるので、どのように通気層を保ちつつ断熱層を確保しているのか。
また通気層が2つになることで、どのぐらい換気量が変わるのか。
とても興味があります。今後さらに調べてみたくなりました。
住宅メーカーと契約前なら積水ハウスに行って構造の話を聞きに行きたかったです(*^_^*)
コメント頂いたぽこにゃんさんは2016年に自邸を新築されていて、その様子をブログで紹介されています。
ぽこにゃんさんのブログを読み返してみると、積水ハウスには透湿防水シートがないようです。
昨日の当ブログでご紹介した透湿防水シートですが、構造用合板の内と外に通気層があるなら、もしかしたら透湿性能は必要ないかもしれませんね。
ただ防水機能がないと雨水が侵入したときに構造用合板が濡れてしまうリスクが出てしまうような気も感覚的にはしてしまいます。
(積水ハウス独自の優良外壁材)ベルバーン、シーリング材の性能により危険性が少ないと判断しているのか。
あるいは通気層が2つあるので雨水が侵入して構造用合板が濡れても乾燥するのも早いという判断なのか。
直感的には外壁・シーリング材の隙間から侵入する雨水の量は多くなく、通気層が2つもあるなら乾燥するスピードも速く問題にはなりにくいようにも思います。
ハウスメーカーは大手になるほどリスク回避の優先度は高まるので、その最たる積水ハウスには建築的な判断材料があるはず。
・・あ~。積水ハウスの設計担当者(大元の仕様を決める担当の方)にこの辺の話を聞いてみたいです(^0_0^)
ぽこにゃんさんから頂いたコメントで、もう一つ大事な要素がありました。
それは高気密高断熱な住宅でよく聞く、冬の「過乾燥」です。
これは本当にあります。
高気密高断熱になればなるほど室内と室外の温度差が大きくなります。
そのため室内で気温が高い分だけ相対湿度が下がってしまいます。(=乾燥)
ぽこにゃん邸では5台の加湿器を使い対策されているそうです。
よく聞く対策としては、
①全熱1種換気システム
②観葉植物などを置く(植物の蒸散効果)
③入浴したあとの浴室の扉を開けておく
④加湿機能付きのエアコン(DAIKINのうるさらなど)
⑤調湿機能付きの24時間換気システム(DAIKINのデシカホームエアなど)
・・なんか、DAIKINがよく出てきていますね。
⑥調湿機能のある壁・クロス材(珪藻土やエコカラット+など)
⑦加湿器
⑧昔ながらの灯油ストーブにヤカンでお湯沸し
⑨洗濯物の室内干し
・
・
⑨はカビ発生など室内環境的に問題があるのであまりおススメではありませんが(^_^;)
①②③はかなり効果が見込めるとの評価が多いようです。
④は加湿量が足りないという評価をよく聞きます。
室内の快適な湿度は、40~60%と言われています。
お家の状況に合わせて加湿を図ってみてください。
慣れてくると湿度35%ぐらいでも問題なく生活できるということも聞きます。(あくまで個人の感想ですが)
さて、ぽこにゃんさんのコメントには断熱についても書かれていました。
ぽこにゃんさんのお住まいの地域で大きな停電があったそうです。
停電のため空調も止まってしまったそうですが窓を開けずにいたら、
3時間の停電でも室温の上昇がわずか1度だったとのこと。
断熱効果が出ていますね。
ぽこにゃん邸の断熱は、積水ハウスのハイグレード断熱仕様で、
壁200mm
天井100mm
床下100mm
とコメントで頂きました。
おそらくですが、壁と天井が反対の数値で、
壁100mm
天井200mm
床下100mm
ではないかと思われます。
天井が200mmなので、くろーばー家の屋根断熱230mm(設計値)とほぼ同じ断熱性能です。
天井断熱の方が屋根断熱に比べて断熱効果が少し高いためです。
積水ハウスの断熱仕様を調べてみると、
壁・床下が通常のグラスウール。
天井が高性能グラスウールを使用しているそうです。
非常に大ざっぱな概算ではありますが、
天井200mm、壁100mm、床下100mmの断熱厚みで、Q値1.9~2.7程度になるはずです。(窓の数・大きさなどが分からないので超概算)
それで3時間で1度の温度変化なので気密性能も良いように思います。
全館冷暖房の仕様なので、構造躯体そのものが冷やされていて輻射熱があまりない(=冷輻射がある)ことも要因の1つに思います。
災害・停電時にエネルギーなしに(少なく)生活できることも高気密・高断熱住宅のメリットの一つ。
Q値1.0をきるような、Q1住宅やパッシブハウス級のお家になると、真冬の無暖房時に室内気温が15度を下回らないようになっていきます。
夏もしかり。
室内温度を保持しようとする力(=断熱・気密)が高いのでエネルギーを使わなくても(少なくて)良いのですね。
※ただし、断熱だけでなく日射遮蔽も欠かせない要素。
暖かい6地域の大阪に住む者としては実感が薄いですが、北海道などエネルギーがなくては凍死の恐れのある地域ではよりシビアな話になります。
より小エネルギー(我慢を強いる「省」エネルギーではなく)で生活できる家づくりをしていきたいものです。
長々と書いてしまいました。
ぽこにゃんさん、とてもためになるコメントをありがとうございます。
いろいろ考えさせられました。感謝しています。