検証!築5年の気密測定。家の気密はどれぐらい劣化するの?【高気密・高断熱】
こんにちは。こんばんは。おはようございます。くろーばーです。
さて、以前よりお知らせしていた我が家の気密測定がありました。
我が家は2017年10月に完成。測定日は2022年8月5日ということで、およそ築5年が経っています。
新築時に行う気密測定は少しずつ認知度が上がり、住宅の性能について学ばれた方にとっては、最も基礎的な知識となっています。
つまり、家にムダな隙間がないかどうか調べるというものですね。
住宅に余計なスキマがあると計画的な換気ができません。
現在の日本の家は必ず24時間換気という、24時間365日ストップさせない換気が設置されています。
これにより、新鮮な空気で呼吸することが出来る他、シックハウス症候群を防いだり、余計な湿気を家の外に排出したり、隙間風を防ぐことができます。
気密の大切さは語ると長くなるので、今日は割愛することとして、その気密。一体いつまで保つことができるのか。
つまり、気密の「賞味期限」ですよね。
これがいつまでなのか、劣化するとして、どのぐらいなのか。
ここが気になってきます。
せっかく新築時に高気密だったとして、それが数年で失われるのであれば、高気密は「砂上の楼閣」になってしまいます。
では、築5年が経った我が家の気密はどうだったのか、記事にしていきたいと思います。
昨日は実にたくさんの方が来て下さいました。
まず、我が家を建てて頂いた泉北ホームの現場監督Dさん。今回は若い現場監督のWさんも来て下さいました。
次に、日本住環境から気密測定技能者のMさん。
大阪支店の主任さんです。
ちなみにYouTubeで家の性能について発信されている「家のサプリ」チャンネル・釣本さんは、Mさんが新人の時の直属の先輩(上司?)っだったそうです。
色々つながるものですね(^-^)
次に、YKKapの関連会社の方もお二人、来て下さいました。
そこに私を合わせて計6名。
なんとも大掛かりになりましたが、築5年の家の気密測定スタートです。
まず、泉北ホームの現場監督Dさん、Wさんのコンビが、気密測定のために目張りをしていきます。
気密測定は家の中にある「ムダな」隙間を測定する行為です。そのため換気に必要な隙間は塞いでおく必要があります。
ということで、まずは家の中にある6つの吸気口から塞いでいきます。
2階の主寝室
2階の子ども部屋A
吸気口のほか、使っていないエアコンスリーブについてもテープ処理していきます。
子ども部屋B
監督Wさんが作業中。お世話になっています!
1階の和室
1階のリビング
あと、撮り忘れましたが、キッチンの吸気口も合わせて計6箇所を目張りしました。
次は、排気口。いわゆる換気扇ですね。
我が家は3種換気システム。日本スティーベル社のLaー60という廃盤になった機器になります。
こちらも2階の廊下と、1階のトイレ、洗面脱衣室の計3台を目張り。
我が家は浴室の換気扇はないので、ここの目張りはなし。
最後に、キッチンのレンジフードも目張り。
ここは範囲が広いので、ビニール?のシートとテープを使って目張りします。
さて、目張りの作業をしている間、日本住環境のMさんが気密測定に使う機器の準備です。
部品の紹介をすると、一番左の緑色はダンタイトという商品。日本住環境さんの商品で防湿気密シートです。
その下敷きになっているアクリル板のような板と共に、気密測定の機器を取り付ける箇所の気密を取るためのものですね。
真ん中左にある筒が、ファンがある部品。
右下は整流筒。
ここのパイ(径)は標準のものが154mm。
C値0.1以下のような超高気密な住宅では、この径のものだと測定不能になる事があります。
そのため例えば、温熱環境で有名な福田温熱環境さんのような非常に拘っている会社さんでは、100mm径のものを使用されているそうです。
この方が精度や安定性が上がるのだとか。
我が家程度であれば、全然154mmで大丈夫ですけどね。
パッシブハウス級や超高気密住宅を計画されている方は、こだわってみても良いのかも。
はい。マニアック話でしたね。
整流筒の奥側にあるアタッシュケース状の物が測定器ですね。
コンピュータ部分です。
気密測定は基本的には小さい窓に測定器を取り付けて測ります。理由は大きい窓の方が漏気が多くなる可能性が高いからです。
今回は腰高の窓に合わせる都合の良い土台がない事と、新築時と同じ条件でということで、1階和室の掃き出し窓に測定器を取り付ける事となりました。
日本住環境のMさんと、泉北ホームの現場監督Dさんが窓の目張りをしてくれています。
作業がラクになるようにと家中を冷やしておいたのですが、さすがに窓を取り外しての作業なので、取り付け作業場はそこそこ暑かったです。皆様、ありがとうございます。
また、この間。
YKKap関連会社の方が、窓や玄関扉の建て付けについて見てくださいました。
私が懸念していた玄関トビラの建て付けについては、とくに問題がなかったようです。閉める時にガコンッと音が鳴るのは、蝶番の部品の問題だったようで直して下さいました。
感謝しています。
さて、目張りも終わり。測定器の組み立ても終わり。いざ、測定へ。
いや、ホントに緊張します・・・・(^_^;)
私もですが、泉北ホームのお二人、とくに気密の意識が高い監督Dさんも、後から聞くと緊張されていたそうです。ホント建てた後も何かとお世話になっております。(ペコリ)
さて、ブーンとファンが周り、家の中の空気を外に送っていきます。
マニアックな話でいうと「減圧法」ですね。
気密測定には、家の中の空気を抜く減圧法と、家の中に空気を送る加圧法があります。
どちらも気密を測定できるのですが、減圧法が一般的とされています。
理由は、基本的に家の中は換気のために負圧になるため、それに近い状況になるのが減圧法だからとのこと。
ちなみに減圧法の方がC値は良くなる傾向になります。
理由は日本の開き窓は、家の外に向かって開くものがほとんどだからです。
風が吹いてくると、開き窓が閉じる方向に動くのと同じで、家の中が負圧になると、窓は閉まる方向に動いて、より密着するからですね。
ただし、日本でも最近ようやく販売され始めた内開き、つまり、家の中に向かって開くタイプの窓の場合は、この逆に働きます。
この減圧法を用いて気密測定が始まりました。
ブーンと音が鳴り、家の中が減圧されていきます。測定器の画面に、10Pa・・・20Paと表示が進み、圧力がかかっていくのが分かります。
気密測定は5点を測定します。この時点での圧力の時は・・・この圧力の時は・・・と表示される訳ですね。
日本住環境のMさんに聞くと、手動で6点を測定することもありましたよ。とのこと。勉強になるなあ。
さて、測定して5分ほどが過ぎると測定終了。
結果がレシートに印字されます。
日本住環境Mさん
「結果が出ましたよ。C値は・・・。」
くろーばー
「ゴクリっ。」
泉北ホームDさん
「ゴクッ。」
泉北ホームWさん
「・・・。」
YKKap関連会社のお二人
「ナニガオキテイルンダ???」
C値0.29の新築時から5年経った我が家・・・気密はどうなったでしょうか。
さあ。
皆さん、C値はいくつだったと思いますか?
以前に予想して頂いた皆さん。
予想は合っているでしょうか?
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では、改めて予想は出来ましたか?
ちなみに、私はC値0.4と予想していました。
泉北ホームの現場監督Dさんは0.5は下回っていて欲しいなとのことでした。
心の準備は良いですか?
では、公開しますよ。
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じゃん♪
C値が0.4。
n値(隙間特性値)が1.36。
αA(総隙間面積)が42㎠。
でした!
αAが42㎠で、延べ床面積が118.67m2なので、より正確には、
C値0.35でした。
C値0.29からC値0.35だったという事なので、気密の劣化としては、誤差の範囲程度です。
\(^o^)/ \(^o^)/ \(^o^)/ \(^o^)/
と、いうことで、築5年の高気密住宅において、気密劣化はほとんど見られないという結果になりました。
記事が長くなってしまったので、結果についての所感については、また別記事でまとめたいと思います。
気密測定して頂いた日本住環境さん。
泉北ホームのDさん、Wさん。
YKKap関連会社の皆様。
ありがとうございました。
何はともあれ・・・・・気密の劣化が少なくて良かった!!!!
以上、施主の正直な気持ちでした\(^o^)/
追記
以前のクイズに予想して頂いた皆さん。ありがとうございました。
今回は、さぬペンさん、torikajiさん、DJTKさんが正解ということで!
それ以外の皆様もニアミスで、精度の高い予想となりました。
(正直、皆さんの予想値が高かったので、内心ビビりまくってました^^;