半樹脂サッシ窓を使うと、この末路。
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
くろーばーです。
さて、施主友の皆さんが大切な窓のことについて記事にされていました。
きちんとした知識を持たれた施主がどんどん発信される。
良い時代になりましたね。
施主友ブロガーのさぬきペンギンさん。
同じく、施主友ブロガーのコスワースさん。
同じく、同じく、施主友ブロガーのクロセさん。
窓の断熱性能については私もかなりの数を記事にしてきました。
これは私が窓の業者という訳でもなければ、窓が好きという訳でもありません。
窓が住宅における断熱の要だからです。
夏暑く、冬寒くなってしまう原因の50%以上が窓にあるからです。
これは適当な数値ではなく、熱損失(家の外へ熱や冷気が逃げてしまうこと)を実際に計算すると50%以上になるためです。
実生活でも、冬の寒い時に窓のサッシに手で触ると、とても冷たいですよね。
直接に触れなくても、手をかざすだけで、その冷気を肌で感じることができます。
温熱のプロたちが口を揃えて窓の断熱性能の重要性を説き、
博識な施主ブロガーさんたちが発信し、
比較的にローコスト寄りな住宅会社である泉北ホームがオール樹脂トリプルガラス窓を標準にする。
そんな時代にごくまれではありますが、逆行しようとする愚かな発信者もいるので、改めてになりますが窓について記事にします。
家の中を夏涼しく、冬暖かくするにはどうすれば良いか。
一番の近道はアルミでできた窓サッシをやめて樹脂サッシの窓にすることです。
客観的に数値のお話をします。
熱さや冷たさを伝えやすさを数値にしたものを熱伝導率といいます。
例えば、フライパンや鍋は調理をするために熱伝導率が高い素材を使います。
鉄とか銅とかアルミなどですね。
アルミニウムの熱伝導率は、236W/m・k です。
このままでは人はフライパンや鍋を持つことが出来ないので、どうしているのかというと持ち手を樹脂にしています。
中華鍋のときは布巾を巻いていますね。
樹脂(PVC)の熱伝導率は、約0.17W/m・kです。
桁が違い過ぎる数値ですよね。
その差はなんと、1388倍になります。
だから人は熱したフライパンをそのまま持つことは出来ませんが、持ち手が樹脂になっているとフライパンを持つことが出来るわけですね。
熱さだけでなく、冷たさも同じです。
そして、住宅の窓サッシにおけるアルミか樹脂かの違いは、単に暑い寒いだけでは終わりません。
窓の結露となって住宅に害を及ぼします。
実際、これまでのお住まいの経験で、窓に結露が起きて、窓がビッショリ濡れている。その結露水をカーテンが吸ってしまって、カーテンや窓まわりにカビが生えている。
そんな経験をお持ちの方は少なくないと思います。
これが窓サッシがアルミの場合の性能になるわけです。
樹脂の1000倍以上、冷たさを伝えるのですから当たり前ですよね。
子どもたちが遊ぶ公園の遊具でも、アルミはほとんどの場合、使いません。
だいたい鉄でできています。
鉄も金属なので熱伝導率は高いですが、それでもアルミよりはかなり低いのです。
ときどきすべり台のすべる所で、コロコロ回る棒みたいなのがアルミになっていることがありますね。
あれ、夏に半ズボンですべると大ヤケドになる事があります。
いかにアルミの熱伝導率が高いかが分かりますよね。
このアルミを使っている窓と、樹脂サッシの窓。
これを見た目に分かりやすい実験をして下さっているブログを見つけたのでご紹介を。
サンワ設計の小竹さんという住宅のプロの方が書かれています。
窓サッシのサンプル(性能自体は本物と同じ)を使っての実験です。
窓の外側にあたる部分にドライアイスを乗せて冷やすと、どうなるか。
答えはサンワ設計さんの記事をごらん下さい。
衝撃です。
衝撃的な実験結果ですが、実際に寒冷地に行けば当たり前のように起きています。
窓が凍結するのです。
結露を起こして、
結露水が寒さで凍って、
窓の隙間付近が凍結。
当然、窓が開かない。
窓の近くは寒すぎて、近くで生活できない。
これがアルミ製やアルミ樹脂複合サッシ(別名で半樹脂サッシとか、アルプラなどと呼ばれます。)を採用した末路です。
窓の結露が大好き。
結露で起きるカビが大好き。
カビて黒く変色したカーテンや窓枠が好きでたまらない。
そんな奇特な方はお止めはしませんが、少しでも快適で健康的で省エネな家づくりを望まれるのであれば、アルミや半樹脂のサッシではなく樹脂サッシを強くおススメします。
メンテナンスが苦でない方は木製サッシもありです。
木の熱伝導率は、約0.15W/m・kと、樹脂よりもさらに良い性能になります。
耐久性では樹脂に劣るので定期的なメンテが必要ですけどね。
ともあれ、アルミや半樹脂の窓サッシは現在、いまだに多くの住宅会社が標準品として用いています。
こうした数値や性能について全く知識のない営業マンが、
「アルミの方が耐久性が良いですよ。」
「アルミでも結露しませんよ。」
と、無責任に発言することが多いです。
その際は、
「アルミと樹脂の熱伝導率はご存じですか?」
「室温20℃以上、湿度50%の快適な家で、窓が結露しないと誓約書を書いて頂けますか?」
「結露を起こした場合は、貴社の負担で窓のリフォームを行って頂けますか?」
「エクセルシャノン社は樹脂サッシ専門の窓メーカーで、創業40年を超えていますが、窓こわれているのですか?」
と、聞いてみてあげて下さい。
それで反論できる住宅会社の方は、アインシュタインも知らない物理法則をご存じか、結露という日本語を知らないか、どちらかになります。
より快適で、健康的で、省エネで、経済的な家づくりを望まれる方は、樹脂サッシの窓を標準にしている会社を選ばれることを強くおススメします。
樹脂サッシの窓は高いんですよと言っている住宅会社があれば、私のブログにある見積額を見せてあげて下さい。
我が家は国産で最高性能クラスの窓を採用していますが、大手ハウスメーカーよりも同じサイズで500万以上は安い建築費用になります。
最近は積水ハウス、ダイワハウスなどの請負金額が平均でも4000万を超えるほどになってきました。同じサイズにしたとしても我が家なら800万ぐらい安くなります。
結局ただ、その会社が不勉強なだけですし標準仕様の問題なんですよね。
結論としてはアルミサッシや半樹脂サッシの窓を使っている住宅会社は、それだけで選別の対象になります。
分かりやすい住宅会社の仕分け方法です。
気密性能を表すC値1.0以下を保証できるかと同じレベルで住宅会社を見分ける良い指標になります。
最近は高気密・高断熱が売れるキーワードとして住宅会社が多用するようになりました。
言ったもの勝ちのような世界ですね。
一例をあげれば、
「高気密高断熱を謳いながらアルミサッシ窓を標準にしている住宅」
最近の大手ハウスメーカー8社はこんな感じですね。
(8社の中に一条工務店は含みません。)
アルミサッシを使っていて、なぜ高断熱を謳えるのか。
その神経を疑います。
「エアコン1台で家中快適と謳いながら、冬場にホットカーペットやファンヒーターを使っている住宅。」
暖房器具は好きに使って頂いて良いと思うのですが、ウソはいけませんね。
「太陽光発電やエネファームを使って光熱費をごまかす住宅」
我が家と同じような条件で我が家の年間光熱費の2倍以上がかかっている、ろくでもないエセ高断熱住宅もあります。
高気密や高断熱を謳わないのであれば、それも仕方がないかなと思いますが、それをスローガンにしていて、という会社もあるので要注意ですね。
これから家を建てられる方には良い住宅会社を見分ける目を養って欲しいなと思います。
温暖な大阪の地で、比較的にローコストな住宅会社の泉北ホームですら国産最高クラスの性能を持つオール樹脂・トリプルガラス窓を標準にしました。
これは非常に先進的な試みですが、ここまでいかなくてもオール樹脂サッシ窓を標準にしている建築コストを抑えた会社もたくさん生まれています。
近年、樹脂サッシ・トリプルガラス窓を採用したハウスメーカーを取り上げてみても、
関西・関東地域のヤマト住建(上位グレード)
輸入住宅のセルコホーム(上位グレード)。
ローコスト住宅の代名詞・タマホーム(寒冷地仕様)。
アイフルホーム(上位グレード)
関西地域の吉村一建設(上位グレード)
関西地域の小林住宅
などなど。
他にもあるはずです。
温熱のプロたちの発信や施主ブロガーさんたち。
実際に高気密高断熱住宅に住まれている人たちの生の声。
そうしたものが少しずつ世に伝わってきた結果だと思います。
「樹脂サッシの窓なんてダメだ。そんな物に頼っていませんから。」
つい先日まで、そんな事を言っていた住宅会社がコロッと態度を変えて、樹脂サッシの窓に標準仕様を変える時代になってきました。
あと10年もすれば、アルミサッシ?何それ??
と、住宅会社の新米営業マンが疑問に思う時代がくるでしょう。
そんな時代が早く来ることを祈って、より快適で健康的で、省エネで経済的な家づくりを目指して欲しいなと切に思います。
これから家づくりをされる皆さん。
良い家づくりをしてくださいね。
追記
ごくまれにですが、高性能な半樹脂サッシもあります。
海外製がほとんどなのですが、国産ではLIXILが出しているサーモスXが唯一、温暖地域なら結露しにくい半樹脂サッシ窓になります。
よくお名前を出す温熱環境の第一人者のおひとり、松尾先生が制作に関わられた窓です。
東京とか大阪や、これより暖かい地域ならひどい結露にはなりにくいと思います。
ただ、これより寒冷地になるとサーモスXでもおススメしにくくなります。
サーモスXは窓の枠が細いのでスタイリッシュな見た目になります。
温暖な地域であれば、性能と意匠性、価格を秤にかけて選択してみて下さい。