お家の耐震性と「直下率」 ~新築工事83日目~
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
30代サラリーマンの、くろーばーです。
建て方工事が終わり内装工事が進む、くろーばー家。
LDKの様子。
1・2階すべての壁や天井に石膏ボードが貼られました。断熱材や柱が見えなくなったので室内という印象にグッと近づきました。
泉北ホームの大工さんは現場の整理整頓がしっかり出来ているという評判がありますが、まさしくその通りで資材も丁寧に置いて下さっています。
新築工事が始まり基礎の工事がされていた時のこと。
現場に工具やスプレー缶などが乱雑に放置されていて、非常に心配したことがあります。大工さん職人さんの腕というのは現場の整理整頓の状況に比例するのは、よく聞く話です。
大工Kさんは現場をキレイにしてくれてて安心感があります。
(建て方工事を担当してくれた大工Yさん親子もです。)
さて、LDKの床はご覧のとおり、青い養生マット(?)が敷かれていています。それは既にフローリングが施工されたことを意味しています。
もう床は完成したということですね。お家の完成も近い(*^_^*)
内装工事のために建具関係の資材がたくさん置かれています。
床のフローリングや室内トビラなどはDAIKEN製の建具です。
やれば出来る子、YDK・・ではなく、
T・・TOTO
D・・DAIKEN
Y・・YKK
の3社の商品を使うことでキャンペーンを適用できるのですが、そのうちの一つ。
クローゼットに付けられる鏡ですね。TDYキャンペーンで2つサービスなので、1F和室と2F和室(主寝室)に取り付けることにしました。
*T(TOTO)、D(大建工業)Y(YKK)
クローゼット扉に取り付けるので結構な高さですね。
一つ一つの建材にラベルが貼ってあります。
キッチンコンロ裏の収納になるスペース。
これを取っ払ってLDKを広くしたい方もおられるし、くろーばーのように収納スペース(兼耐力壁)にされる方もおられると思います。
どうしてもLDKは物にあふれるので遠い所に収納スペースを作るのではなく、小さくても良いのでたくさん収納スペースを作りたいとうのも決め手になりました。
まあ一番の理由は耐震等級3を取るためなわけですが。
結構よくあるパターンの間取りなので、耐震等級3を取るか、広いLDKを取るかは施主側の考え一つですね。
耐震等級についてはいろいろ考え方がありますが、少なくとも耐震等級2はとるようにしておきたいところです。
長期優良住で求められる耐震基準が耐震等級2です。
床の水平力は等級1では計算されません。
(例えば2階が吹き抜けになっていて床がない場合、横揺れに弱いのですが、そういった水平力の計算が等級1ではされていないということ。)
簡単に書くと、耐震等級1では強度が簡易にしか検討しかされないのですが、耐震等級2以上では構造計算が必須にされているということなのです。
では、耐震等級は2をとっておけばよいのでしょうか。
地震のエネルギーの強さを測る指標にgalという単位があります。大手ハウスメーカーの住友林業さんが自社の耐震性を紹介するのによく使われています。
galで耐震等級を表すと、
耐震等級1は、400gal
耐震等級2は、500gal
耐震等級3は、600gal
になります。
耐震等級2は、等級1の1.25倍。
耐震等級3は、1の1.5倍の耐震性。
という説明書きをたまに見かけると思いますが、こういう事なのですね。
そして、600gal以上の耐震性能は全て一くくりにされています。
先程、名前を出した住友林業では2×4工法もありますが、グレードの高い工法でビッグフレーム(BF)工法も取り扱っています。
BF工法は一般名で梁勝ちラーメン構造という非常に強固な構造をしています。耐震性を表すgalは、3600galにも達するそうです。
同じ耐震等級3ですか、600galとは比較にならないほど強固ですね。
3階建ての実物大実験でも、2699galを与えて損傷なしでした。
(3階建ては2階建てに比べて耐震的に非常に不利に働く)
*参考データ
東日本大震災は、2933gal
阪神大震災で、818galの地震加速度です。
※ただ、地震加速度galだけでは地震の被害と連動しない部分も多いようです。キラーパルスと呼ばれる地震周期など・・。長くなるので、またの機会に。
どこまで予算をかけて耐震性を上げるかは施主しだいですが、同じ予算なら出来る限り耐震性を上げていきたいですね。
住友林業のマスコットキャラクター
謎の生物「きこりん」
耐震等級もあくまで計算値であって、新築後、何十年もたったお家は経年劣化し耐震性が低下していきます。
出来るかぎりの余裕を持つ方が良いかと思います。
くろーばー家の耐震性については、「住まいの水先案内人」の堀先生に計算して頂きました。
くろーばー家の耐震性能はギリギリ耐震等級3のレベルから、20%高い耐震性能ということでした。
つまりgalで表すと、720galまでの耐震性能があると理解しています。
今後30年で起こる可能性が高いとされている南海トラフ地震。
近畿周辺にお住いの方には、南海トラフで予想されている地震に耐えられるだけの耐震性は持たせておくことを推奨します。
これまで耐震等級3の住宅が倒壊した事例はありません。
2016年4月14日に起きた熊本地震で、長期優良住宅の基準である耐震等級2の住宅が初めて倒壊しました。
この事は建築業界で大きな課題となり調査が入ったそうです。原因は、「直下率」だという調査結果でした。
直下率とは、柱や耐力壁が一階と二階で何%揃っているかを表しています。
柱の直下率が60%以上あるいは、耐力壁の直下率が60%以上ある住宅では倒壊がなかったとのデータも出ているそうです。
施主からすれば耐震等級が、耐震性の唯一の判断基準ですが余裕があれば、この直下率でも設計を見直してみてはいかがでしょうか。
耐震性について別の視点で見てみます。
耐震等級は、「1回の」地震に耐えられるというのが基準です。
1回目の地震により柱や壁から釘が抜けたり、緩んだりすれば、2回目の地震で倒壊する危険性は高まります。
そのため最近よく出ているのが、制震ダンパーと呼ばれる建材です。
あまり知られていませんが、他にも制震テープという建材もあります。
制震テープは柱や耐力壁の外側に取り付けるので、断熱材の設置を阻害しないメリットがあります。
耐震性と予算、間取り・・。
いろいろ考えることが多いですが注文住宅の楽しいところでもあります。
家づくりを考えられている方は楽しく検討してみてください。
何だか建具の話から耐震性に変わってしまいましたね。ちゃんと計画だてて記事を書けるようになりたい、くろーばーです。